朝である。8時に目覚める。
目覚めはそんなに悪くはないが、もうすこし寝たい。しかし、9時前には家を出ねばならぬ。仕方ない、目を覚ます動きを始める。
とりあえず、お湯を入れる。
そして、バナナを入れる。
さらに実家より拝借したパンに、ハムとチーズを挟み、むしゃむしゃ。
オレンジジュースと、スクランブルエッグが欲しくなるぜ。
本日は、長崎にてライブである。
ので、炭水化物を多めにとっておく。
多めに拝借したパンをもう一つ、腹に入れる。
これで少しでも、体が持てばいいが。
時間になったので、出かける。
重い荷物に辟易しながら、扉の鍵を閉める。
幾度となく通った、駅までの徒歩約10分は、ライブの日は少し、違うように見える気がする。
適度に叙情されながら、駅へ向かう。
駅、地下道を何百キロで疾走し、街に着く。
バスセンターにて、本日のサポートBa.である、ちぇーんそーくんと落ち合う。
ちぇーんそーくん、これは、本名ではない、芸名みたいなもんである。あしからす。
合流して、同じバスに乗る。
福岡→北九州→長崎というルートは、すこし無駄な気もするが、車が北九州にあるため、合流した方が楽なのである。
幸いにして、バスは空いていた。ゆるりと、参る。
北九州に着き、仲間たちと合流し、車を出す。
いざ、長崎へ参らん。
普段、車内では私は、ひたすらに、喋る。
単純に、私が楽しいので、ただ、喋る。
しかし最近、歳のせいかライブの日の体力事情がシビアになっている。なので体力を温存するため、なるだけ喋らないように、する。
それでも、ぼちぼち、喋る。
やはし私は、喋るの、好きである。
しかし控えねばならぬ。後半は、眠っていた。
さて、3時間ほどのドライブの末、長崎studo Do!というライブハウスに到着。
雨と階段という悪路に気をつけながら、重い機材を搬入し、一息。
リハーサルを終え、旧友たちと挨拶を交わし、諸準備を整えて、また一息。
階段に、ここ近辺に住む猫、ジャイ子さんが鎮座しておられた。茶色の、猫である。
阿呆のように人に慣れて、小さな声でなぅなぅ言いながらすり寄ってくる。手の匂いを嗅がせる前に、頭を手に擦り付けてくる。そして、膝に乗って、眠る。
可愛いものが好きな私、疲れが、憤死する。
しばし、ジャイ子さんと、戯れる。
しかし、ここ長崎studio Do!というライブハウスは、3月で現在の場所から移転になるという。
なので、この建物に来るのは、今日が最後になるだろう。
ジャイ子さんの事情は知らないが、ここの人間は皆ジャイ子さんを認知しているし、ジャイ子さんもここの人間を信頼しているのは間違いない。
いなくなって、なくなってしまった。瓦礫になって更地になったここを見て、ジャイ子さんはどう思うのだろうか。誰かを探して、また小さな声で鳴くのだろうか。撫でるのをやめた時のあの目で、瓦礫を、更地を見るのだろうか。
諸行は無常、そして無情である。
ジャイ子さんに幸あれ。と思いながら、少し強めに撫でる。
もう会うことも、ないかもしれぬ。
時は過ぎ、ライブハウスは開場し、ライブが始まる。
我々は3番手である。
体力の温存作戦も、そこまで功を奏せなかった。適度な疲労感で、ライブに臨む。
本番。
なくなってしまうここを、ここで働く気のいい人たちを、ここから見える夜景を、ジャイ子さんを、思いながら、叫び、喉を枯らす。
さらば、studio Do。
演奏を終え、ステージから撤退する。
やはし、体力がもたない。
やはし、色々と、考えねばならぬやもしれぬ。
一息をつき、共演者たちを見る。
ライブを見ている間にも、脳内で未達成のトゥードゥーを考えてしまっているのが、嫌になる。
ステージ上の彼らがたまに言う「全部忘れて楽しめ」という言葉を、施行できるのはいつになるのだろうか。それとも、無理なのだろうか。
どの共演者も良かったが、大阪、「それでも尚、未来に媚びる」というバンドが、化け物みたいなライブをしていた。
嬉しくもあり、悔しくもあり、少しだけ、同い年の自分が惨めにも覚えた。
やらねば、ならぬ。
興行は終わった。
物販の活動を適度で打ち切ると、荷物を車に積み、挨拶をする。ジャイ子さんの姿を探してみたが、どこにもいない。最後に一目、お会いしたかった。
さらば、studio Do!
さらば、ジャイ子さん。
そして打ち上げへ向かう。
運転のために休むGtソウイチロウ君と、明日の用事のため休むサポートDrみょーちんを車に残し、サポートBaちぇーんそーくんと打ち上げに向かう。
打ち上げ。
色々と、話す。
打ち上げは、多少の面倒さはあるが、好きな方である。共演者と、お互い息を抜いて話せる機会は、なかなかない。
色々と、談笑する。
ちなみに、私は酒が飲めぬ。
飲まぬ、のではない、飲めぬ。
自制ではない、単に、下戸である。
ので、私の「打ち上げ」は料理の具合が非常に大事になってくる。今回は、美味しくはあったが、量は物足りなかった。ガッデムと言っていい。私は、悲しい。
さらば、2500円。
打ち上げを終え、車待機組を起こし、出立の準備を整えると、エンジンをかける。
現在、深夜の2時、ドライブは始まる。
車内、行きと違い、今度は体力の温存など気にしない私、しゃべる。助手席が喋るのは、義務ね。
怖い話、見た夢の話、見た怖い夢の話など、怖いモノ苦手なソウイチロウ君のために、展開する。喜んでくれたようで、結構、結構。
途中、福岡で降りサポートBa.ちぇーんそーくんを下ろす。ありがとう、楽しかったぜ。
また高速へ、我らが北九州へ。
サポートDrみょーちんを家まで送り、ソウイチロウ宅へと辿り着いたのが、5時ほど。
そこからブログを書き始めるも、力、尽きる。
全てを忘我して、眠る。
ということで、今は23日14:41。昨日22日のブログを、したためているので、ある。
そして、投稿す。