ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

4月20日 ヒズミウキクサ

朝は10時、ソウイチロウ君宅にて起床。

脳が起動したら、バナナを食べる。


結構に眠れたので、目覚めはそこまで悪くはない。動き出すのは14時くらいなので、時間には余裕がある。しばしまったりと、する。

昨日、仕上げた動画のチェックをしながら、しばしのんびりと、過ごす。


本日はレコ発ライブ、小倉編である。

予約されてる人数を見て、とても不安であったが、昨日今日で倍くらいになり、少しだけ胸を撫で下ろす。みなさま、できれば、もっと早く予約を下さい。差し支えなければ、でいいので。

不安で死にそうでした。いや、私も見に行く時は大体、連絡は当日だけれど、も。


昼、うどんに卵と納豆をぶち込み、流し込む。そうこうしてるうちに、ソウイチロウ君が起きる。昨日は遅くまで仕事だった模様、お疲れ様だぜ。

談笑しつつ、時を過ごす。

 


時間である。

荷物を忘れずに準備して、いざ、車を出す。サポートの2人も迎え、春の陽気の小倉の街を、陰気な軍団が爆走する。


FUSEに、到着する。

到着するなり、大量の機材が積み上げられているのを見る。奴等が、来ているな。

そう、奴等、今回招致した大阪の傑物、LONEというバンドである。一緒にやるのは久しぶりであるので、楽しみだ。彼らとも、結構な付き合いである。

諸準備を始める。

さて、先日の福岡レコ発は、準備ややり取りと結構にバタバタしたが、本日は少し余裕がある。丁寧に、準備をこなす。

この辺りで、今回撮影を依頼した、敏腕カメラマンのゆりの君と合流する。いくつか約束事を、確認する。

正直、私自身は、「私が撮られること」にそこまでの興味はない。が、よく撮られた写真というものに、凄まじいエネルギーがある事は知っている。バンドとして、それは、欲しいエネルギーである。

我々の姿を、存分に撮って頂きたい。


リハーサルである。

ソウイチロウ君のギター関連で少し戸惑いながら、ふわふわと、終了。不安の残る出来栄えである。FUSEは慣れてるはずなのだが、機材が同じセッティングでも、音の体感が違う事は少なからずある。不思議なもんである。


リハーサル終わり、ゆりの君と飯に赴く。

そういえば、小倉駅にshin-shinができたらしい。福岡の名店である。おーおーどんなもんかいねーにーさん。なんてテンションで、突入。ラーメンをすする。美味しかったです。

さて、顔合わせも終わり、開場まで余裕はあるので、パソコンで少し作業を進める。少しではあるが、この少しが、きっと大事のはず、たぶん。


開場する。

本番への準備を整えながら、心を待機させる。用事でたまにホールに出ては、観に来てくれた方と挨拶を交わす。そうこうしているうちに、開演である。

 


開演、

そして怪演。そう、大阪、LONEであった。

音が、でかい。とてもでかい。加齢とともに誰もが諦めていく「圧倒的爆音」みたいなのを、彼等は真摯にこだわり続けている。その説得力は、凄まじいものがある。あとはもう、単純に、メロディが、良いよね。なんか独特である。

2バンド目、Trippers Audio Roomのイカしたギターを見ながら、次出番であるので、泣く泣く楽屋へと戻る。ちゃんと見たかった。

楽屋にて、仲間たちと構成の確認。あとは柔軟をしたり、DOESを歌ったりして過ごす。DOESの曲は、声が高くないし弾くのも簡単なので、ウォームアップにとても良い。

さて、我々の、出番である。

SEとともに、入場する。演奏を、始める。40分間、叫んで散らす。叫んで散らすが、最近は、きちんと歌うべき曲では、きちんと歌えるように、意識をしてみている。

どうにも、ライブ中なんだろう「野生スイッチ」みたいなのが入ってしまう時がある。それが入って歌ってしまったが最後、正気を取り戻しても、もう綺麗には歌えない。良くないのは、スイッチが入ると、めっちゃ楽しくなってしまう事である。

だが我々がやっているのは音楽である。スイッチ自体に罪はないが、なんとか、コントロールはできるようにならねばならん。


自分と戦いながら、演奏を終える。

今日は、少し、コントロールできた気がする。わからんけれども。


演者は、ステージから、お客さんの顔がみんな見えているなんて話があるが、あれ結構、本当である。いつも来てくれる人、久しぶりに来てくれた人、初めて見てくれるであろう人、結構な精度で、わかる。

全ての人と、最低15分ずつくらい、感謝を伝えたい気持ちになる。しかし実際は、色々と、足りない。それが申し訳ない。


終わり、一息を入れ、トリのミズニウキクサが始まる。

彼女らとも、結構な付き合いである。ますます、上手い、アレは一体、どうなっているのだ。演奏と曲で、有無を言わせない。強いなぁ。

しかし、ライブの、曲の流れはもう一つだなと、そういったところで溜飲を下げている、しょーもない人間が私である。

アンコールまで、終わる。良きライブであった。

 


その後は物販をやりながら、モノを売りながら、感謝を伝えながら、しかし時間が押してしまっているので、駆け足で精算に移る。

精算も終え、駆け足で、荷物を車に乗せる、

そして駆け足で、打ち上げへと移行する。居酒屋にて宅を囲み、乾杯を、する。


打ち上げでは、我々の演奏面について、色々と意見を喰らう。我々は別に、演奏の上手さで推すバンドではないが、からと言って演奏の上手さを妥協してはならない。

単に私が、演奏の上手いバンドよりも、ライブの楽しい、曲の良いバンドの方が好きなのである。正直、演奏の上手さで、そこまで感動はできない。音楽人として、良くないのはわかっているが、できないものはしょうがないのでは?とも思う。

しかし、それを売り物にしようと画策をしている私である。意識をせねばならんところではある。今後もう少し、意識を、せねば。


帰り際、車の中で、ソウイチロウ君と、その旨を話す。ソウイチロウ君はむしろ逆で、演奏が上手い事を重視すべき、という思想である。

しかし、現在の、リズム隊完全サポート体型というのは、色々と無理がある。私としては、早くメンバーが欲しいのだが、それも色々と、一筋縄ではいかない。

多難、多難だなぁ。

まぁ、バンドをやっていて、多難でなかった事など、ないのだが。


ソウイチロウ君宅にて、就寝。

とりあえず、今日のライブが終わった、それに少し、安心した。

赤字は出たが、想像よりも、遥かに少なかった。最悪の場合、5万ほど赤字を出すかもしれなかったのだ。出してたらもう、死んでいたかもしれぬ。

 


とりあえず今日は、眠る。何とか、生き延びました、ぜ。

ありがとうございます。