ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

日常の異常な通常

 

 

 

2020/8/4

 

日常の異常な通常

 

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今年も夏は、暴力的に膨張して、世界をスチームしています。篭りが多くなったせいか、弱った身体に熱が急速に浸透していく。

今年の夏はとても静かで、とても暑く、奥底にはみんなの悪意が滞留し、晴れて地獄の様相です。私は暑い事務所で独り、ソルティライチの原液を氷で割って飲んでます。

 

異常な日常が通常になって数ヶ月。時折、ライブの日々を思い出します。

あの日々は、ライブを軸に生活を回していた。月4本くらいは「めちゃくちゃ多い」という訳ではないが、それでも、その日に焦点を合わせて他の日を捧げていた。

別にライブに飢えている訳ではない。勿論ライブはしたいが、やりたくて気が狂うという訳ではない。むしろ私としては製作の方が好きなので、それなりに充実している。

しかしね、それでも、私にとっては今のこの状態は異常であり、ライブを中心に回す生活が正常だと、たまに思います。

ひょっとしたら「そうでなくてはならない」と思っているだけかもしれぬ。それはまだわからん。どちらにせよ、私は選べるならば、矮小な可能性と多大な苦悩性に満ちた、あの日常を選ぶだろう。

 

異常な日常は、未来の通常の日常のために、捧げていかねばならんです。作った供物は、腐らぬ様に冷蔵庫に入れておかねば。

今年も夏はとても暑く、蝉々はとても煩く、何も知らない木々の情景は溢れる光線の中で叙情的に光っております。

夏を嫌いになりたくねぇなぁ。そろそろ、いいニュースを何か、頼むよ。本当に。