ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

わるいともだち

 

 

 

2021/9/17

 

わるいともだち

 

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台風も直面する中、私の昼食はマックでした。

昨日の周南の帰り道、夜の2号線を辿っている途中、マックに寄るかどうか議論をしながら結局3軒くらいスルーしてしまったので、マックを食べたい願望がオーバーヒートしておりました。

あと、あまりにもみんなが話題にするもんだから食べてみました、月見バーガー、美味しかったです。ただ370円は中々、清貧を志す私には少し辛いモノです。

しかしながら、マック、マックですよな。マックにはマックでしか満たされない欲求があります。肉と小麦と芋と油、身体に良かろうはずもありません。しかしそういう問題ではないのです。食事の目的が栄養のみならば、味付けという概念から不要なのです。腹と味覚を満たす事の快感も、食事の大事な要素なのですよ。

言ってしまえばそういう店は悪友のような存在でして、夏休みの宿題をやっている時に、夜の学校に忍び込もうぜと誘ってくれる友人なのです。それは褒められた行為ではないですし、側からみたら何が楽しいのかわかりませんが、本人達にとってはかけがえのない時間であり、人によっては救いにもなりうるのです。

ハンバーガーは美味しいですが、そりゃあ「本当に美味しいもの」ではないでしょう。世の中にはもっと美味いものが山のようにあります。それでも、我々の手が届く範囲で、手が取れる範囲で手を伸ばしてくれるヤツは、とても貴重な存在だと思います。高い飯を食べた快感が「高い金を払った」というストレスと相殺されてしまう我々のような人間を、マックはとても純粋な、とても綺麗な悪い笑顔で迎え入れてくれるのです。

ゴミを片付けて、トレーを重ねて店を出ると、外は少し雨が強くなっていました。勘違いで満たされた腹と味覚は、それでも少しだけ私に安心を与えてくれます。私は傘を差し、帰ってやる事を考えながら電車へと向かうのです。