ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

等速直線上の点ニャー

あいも変わらず、年明けからのこの3日間というのは、倍に近い速度で過ぎていく。

感覚では、この間生まれたはずの甥っ子たちも、どんどんとその存在を増していく。

 

時が過ぎるのが早い早いと、毎日のように思っているが、そろそろ気がついた方がいいかもしれない。

 

時っていうのは、この速さなんだよ。

空気抵抗も摩擦もなく、等速直線運動を続けていくのだよ。

これまでも、これからも。

 

ではどうするか。

我々が速度を、上げるしかあるまい。

 

 

そういう事を思いながら川辺を歩いていると、またいつもの白い野良猫に出会う。暗がりの中に白色が、幽霊のように浮かんでいた。

なーなーと鳴きながら、飯も何も持たない私に擦り付き、ベンチに座った私の膝に乗り、丸まって、眠る。時折、こちらを見ては、深みのある表情をする。

私は座ったまま、携帯などいじり、時折、撫でてやる。何の義理もないが、こいつが私を求めるのならば、私は膝を差し出そう。それで少しでも癒されるのであれば、私はそれで良い。

この時間は、一瞬たりとも無駄ではない。

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この写真は先日のものである。

 

2度ほど寝直し、3度寝をキメようとした時、膝を降りてもらう。さすがにもう、戻らねばならぬ。

降りた後のヤツは、鳴くでもなく、去るでもなく、こちらを見るでもなく、そこにいた。

元気で、と声をかけ、私は歩き出す。膝が少し、寒くなったのを感じる。