ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

バァベキュウと海と私

2024/7/29

朝は仕事を終わらせたら、とある筋のバァベキュウなるものに参加してきました。参加した行事にバァベキュウがあったことはありましたが。誘われるなんてのは生まれて初めてかもしれません。私イイジ、実に青空の似合わない男ではありますが、要するにみんなでやいやい、楽しもうというイベント、嫌いではないです。それが親しい人たちなら尚更です。

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私は途中参加なので、場は少し落ち着いたモノでしたが、夏と海と青空の下、焼かれた肉をかっ喰らっていました。とても良いロケーションで、今だけはこの夏の暑さも許せる気がします。今だけはエアコンなんていらない、ただ夏であれば良い。夏があれば良い。バァベキュウにはそういう効能があります。

話をしながら肉を喰らい、海を眺めては肉を喰らい、ジンジャーエールを飲んでは肉を喰らっていました。非常に不本意ながら、いわゆる陽気な人間たちがバァベキュウを好む理由が、非常に不本意ながらわかった気がします。楽しいもんですよ。というかまぁ、言ってしまえば親しい人間とやるならば、何でも楽しいのですがね。

途中参加ゆえ、時間もほどほどで終了しました。清算をして、他の皆を見送った後は、なんとなく、ひとり海へと向かっていました。

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基本的に私は海が好きです。別に入りはしませんが、存在としての海はやはり雄大で心地よいもんです。母と形容されるのも、さもありなんと言ったところ。夏の海ももちろん好きなのですが、夏の海って陽気人と家族のモノなので、どちらでもない私は行く事ができません。行ってもいいのですが、大抵の場合音楽がうるせぇ。歓声や子供の声なんかは可愛いもんですが、大音量のレゲエなんて情緒のカケラもありません。そういう文化なのは知っていますが、スピーカーからの大音量は、この場においては情緒を塗り潰すような雑音です。せめてお前らが演奏して歌って欲しいもんです。

しかしら今日の海は、平日のせいか人も少なく、終始穏やかな波がそこにありました。水も綺麗で、とても心地よかったですね。準備がないので入りはしませんが、履いてきたサンダルでジャブジャブと、砂を救いながら歩いていました。気持ちよいもんです。

海、海、これはなんですか、海です。空と大地とこの世を三分する、それが海です。空も大地も常に私のそばにありますが、海は行かねば会えません。会いに行く機会や理由もないので、たまに会っては不思議な気持ちになります。私が生まれるずっと前から、私が死んでなおずっと後まで、この場所では止まることなく波が揺蕩っております。凄まじい数の生命を抱えながら、一瞬も静止することなく、しかしいつまでもそこにあり続けます。ちょっと私じゃ太刀打ちできない程の存在に、ただ立ち尽くすしかありません。そしてあまりにも、それは綺麗なものです。

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しばらく叙情に耽ったのち、サンダルと足を洗い。アイスコーヒーを掻き込んで帰りました。叙情は結構ですが、バァベキュウが終わったその時から、この暑さは再び私の敵となっています。タオルを頭に乗せ、過干渉を拒否しつつ、乗ってきた車へと向かうのでありました。