ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

夏のあとの祭り

2023/9/16

ふと思い立ち、箱崎宮放生会という祭りを徘徊していました。

 

お祭りは好きなんですが、この夏は引きこもってずっと音源を作っていまして、気がつけばツクツクホーシが鳴いていました。今年は仕方がないと諦めていたんですが、9月の福岡は放生会がありましたね。散歩と昼食ついでに向かうことにしました。ついでと言っても、電車で20分くらいかかるのですが。

9月になっても外は暑く、今日は夏の様相をしていました。地下鉄から階段登って見える空には、刻明に夏が切り取られていてとても良かったです。スクリーンに映っているようでしたね。

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登ってみると沢山の人と、凄まじい熱気。学生や家族連れ、恋人連れがみな暑そうにしていました。ひとりで来たのはきっと私くらいのもんでしょう。

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祭りに行く時は大体ひとりで行きます。私自身、誰かと行くと過剰に気を遣ってしまう人間なので、結局楽しめなかったりするのです。私は祭りの雰囲気が好きなので、出店で買った何かしらの肉を齧りながら、ボケッと歩いているだけで楽しいのですが、多くの人はそうでないようなので、あまり相入れません。

というか正直、祭りって友人と行って楽しいのですかね。過去に何度か行ったことはあるのですが、まぁ何をするでもなく、1時間もしないうちにファミレスで駄弁り始めるのがオチでした。祭りに行く目的というのは大体が「祭りに行く」というモノなので、行った時点である意味終わってるんですよね。目的でなく雰囲気を共有できる存在がいれば違ったのでしょうが、生憎私にはいませんので、ひとりが一番楽で楽しいです。

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無限ループする適当な出店、やけに高い肉と粉を喰らい、誰かの吹く水笛の音を聞きながら、ふらふらと徘徊していました。途中には和服や法被の行列もあり、多分あれが行事的な意味のメインイベントなんでしょう。放生会、詳しい由来は知りませんが、恐らく長い年月、何かしらの目的で、代々この辺りの人が受け継いできた伝統なのでしょう。長い間この場所では、きっといろんな思いが渦巻いてきたのです。科学と文明でコンクリート舗装された令和の世でもそれが続いているのは、とても奥ゆかしいことだと思います。とても大事なことです。しかし行列が担いでいた大きな箱の先端には、明らかにGoProと思われるカメラがついていまして、この辺はきちんと令和を感じました。まぁ、使えるものは何でも使いましょう。

なんだかんだ祭りというのは、道行く人がみな楽しそうで、良いですね。どこぞの子供が発狂したような笑い声を出すたび、平和なもんだとニヤけてしまいます。みんな楽しい、みんな幸せなのが一番です。これはマジでそう。徹底的にそう。

文字通り、水を刺すような雨が降ってきたので、手持ちの鶏皮餃子を急いで平らげ、帰還しました。お祭りってのは浮かれていて、一種異様な空気の中にありますが、一本通りを移動すればそこは紛れもない日常があります。建物と電柱と信号機が、微動だにせずいつも通りを固辞しています。こういうのもまた、祭りの面白いところです。

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もともと、ツアーやら新しいグッズやら、考えるための散歩でしたが、帰ってみると一秒たりとも考えておらず、ただ祭りを享受していました。まぁ良いのです。祭りに行くという目的は達成しましたのでね。

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あと、随分と可愛らしい神様にも会えました。見知らぬ人を写真に撮るのはあんまり良くないんですが、仮面と祭りってことで、ここはひとつ。