2021/7/19
アマのジャクザリッパー
良いよ良いよと言われるたびに観る気をなくし、持ち上げられるほど口角がヒズむ、私にとって「おすすめ作品」とはそういうモノです。
でしたが、朝から何人もの友人のおすすめを見て、ついに兄からもおすすめされて、観念して見ました「ルックバック」。
天才のそれでした。めちゃくちゃ良かった。なんて言うのかね、深く良いものって、溢れる感想が出口を探して奔流し、頭の中がグッチャグチャになって、それがまた心地良かったりする。この感覚は久々でした。
あらゆる人のおすすめを、切り捨てながら生きてきました。こうやって何度となく避けてきながら、見てみれば人生を震わせるほどのモノだった、っていうの、実は沢山あるのでしょうな。観た後でもっと早く触れれば良かったと、後悔と慚愧に堪えない事も沢山あるのでしょう。
わかっていてなお、この性格は治りようがないのです。良いモノ、皆から絶賛されるモノは大抵「私のもの」ではなかった、公には二番手や三番手だけれど、実は内容は一番評価されている、そう言うモノが私のモノでした。そんな人生でしたから。
そして真に困ったところは、そんな天邪鬼な性格の自分が、あまり嫌いではないという所なのです。無駄とわかっていながら切り捨てられない部位。仕方ないでしょう。贅肉だって多少は防寒になってんですから。
だけれどまぁ、少しずつ緩めていきましょうかね。そして良いモノはきちんと良いと思い、面白かったモノはきちんと面白かったと言っていきましょう。もちろん「良いけど良いと思いたくない」とか「面白いけどムカつく」みたいな感想もありますが、それはそれで尊重していきましょう。これもまた天邪鬼なんですよな。