ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

おしいれの妄言

2024/1/20

「来たる2月の某日、昔使っていた口座のお金を頂戴します。数年使ってないしいいですよね?」という予告状を銀行から受け取りました。警察に知らせる前にお金を確保せねばなりません。昔使っていた口座のカードなんて、ダイドーの自販機くらい探すのが難しいやつです。アレ、変な飲み物ばっか売ってて面白いですよね。買いはしませんが。

しばらく押入れを漁っていたら、なんとか通帳を発見しました。押入れに堆積された地層の奥の奥、白亜紀くらいのダンボールよりの発掘です。たかだか数千円のために埃まみれになりましたが、今の私は誇りに満ちています。この通帳がまだ使えるかどうかはわからんですが、ひとまず卑劣な銀行の企みは阻止されました。貴様らの好きにはさせんぞ。

 

と、探していたら懐かしいモノを発見しました。かつて福岡に存在したサーキットフェス、「YOKA fes 2014」の案内です。

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今となってはもうサーキットフェスもバーゲンセールみたいになってますが、当時はまだ珍しかった時代です。私の初めて行ったサーキットでもあります。森山タカヒロBANDの主催でしたな。懐かしさが蜜みたいに溢れます。

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小さくて見えづらいですが、メンツもまたこれ、懐かしい面々ですな。当時は一線級のバンドたちでしたが、そのほとんどが消えるか、第一線からは退いています。所業の無情を感じますぜ。

今年が2024年なんで、10年前、10年前ですな。私はこれにめちゃくちゃ出たかった。出たかったのですが「お客さんを呼ばなすぎる」という理由で断られました。理由としては真っ当がすぎますぜ。当日は、悔しい思いで見て回ってました。それでもゆれるやマーダーケースを、発狂しながら楽しんではいましたが。

10年、我々はまだ続いています。当時セールスも勢力もあった彼等は次々に退き、どちらもなかった我々は続いています。優越感がない、言えば嘘になりますが、それよりも大いなる寂しさが勝ります。あの人たちと同じステージに立ちたかった。同じ立場で語らいたかった。我々の演奏を見てもらいたかった。当時もっと頑張っていれば、束の間でもできたのでしょうか。慚愧に耐えない思いです。

押入れ奥のボロボロの紙を眺めながら、懐古の念に浸っていました。物持ちが良い、というよりは、単に物が捨てられないだけです。なぜ捨てられなかったかというと、多分そういうことなんだと思います。そう思って、また段ボールの中にしまいました。捨てることも綺麗に保存することも、今後も私はしないのです。きっと。