ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

ホームにて

 

 

 

 

 

2022/3/20

ホームにて

朝、ソウイチロウ君宅で目覚めるは6時。普段の私にとっては深夜に近い時間帯、呻き声を漏らしながら身支度をする。

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家を出て、車を発進させ、コージーとおひなさんを拾って高速へ乗り込む。本日は大阪、寺田町fireloopにてライブである。

 

大阪までは車で7時間、休憩含めて7時間半といったところ。長旅も長旅である。大阪、京都での連日のライブのため、車は大荷物、軽装の4人組を乗せて山陽道へ。普段は4人でぺちゃりくちゃり喋りながら遠征をしているが、今回は長旅につき、さすがに助手席以外は眠っている。先の運転は私で、助手席にはコージ君。普通に生きていると、数時間、場所も変わらず飯も食わず、話し続けるという機会はめったにないので、こういう時にしかできない話があったりして、楽しい。お互いの腹のウチを少しずつ晒しながら、山口県を少しずつ削る。

広島を半分くらい制圧したところで、ソウイチロウ君と運転は交代。私も後部座席に移り、眠る。前の席の会話がずっと聞こえてくるので、参加したい気持ちをぐっと堪えながら、眠る。これも私の仕事のうちよ。

目が覚めたら大阪だった。もう何度目かわからない、勝手知ったる寺田町fireloop、その周りの長閑な住宅街、それをぶち壊すかのように、真っ黒なドン・キホーテが屹立していた。

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高架の絡んだ、あののんびりとした風景が好きだったが、これも仕方がない。間違いなく便利だし。何でも揃うし。ツアー先にあったら

嬉しすぎる建造物ではある。ツアー1本目がここだったら、最悪楽器だけ持っていけばいいレベル。ありがたい。ありがたいが、なんだかなぁ。

ファイアループに機材を搬入して、お久しぶりのスタッフさん方と歓談をしてリハをする。終わったら「きいた」のたこ焼きを食べ、コーヒーを飲みながらその辺をふらつく。もはや地元のハコと言ってもいいくらいのルーティンが出来上がっている。というかもう地元と言ってもいいかもしれない。ここら辺にかつて住んでいたような気さえしてくる。思い出を捏造するにはドン・キホーテが邪魔すぎるが。

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そしてライブが始まる。対バンにはこの間レコ発にも出てもらったHyugaくんもいてくれて、MELT ME、ZOOZもめちゃくちゃによかった。また素敵な出会いをもらってしまった。ブッキングのやすい君には感謝が止まらない。

そして我々、SEの時点で客席が笑っているのを聞いて、それだけでもう勝ちを確信した。あとはもう、好き勝手にやるだけ。好きなように鳴らして、好きなように吠えて、最後まで楽しくやらせて頂きました。

430キロも離れているのに、7時間半もかかるのに、ここは間違いなく、我々のホームであります。それを確信した日になりました。嬉しいもんですね。本当に。

また必ず、やってきます。というかもう6月くらいに決まっているので、必然的にまた、来ます。どうぞ宜しくお願いします。

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ライブが終わり、サポートをホテルにぶち込み、車中泊の準備を整える我々の前に、観にきてくれていた元それ媚びのベース井地君が「ウチに泊まりますか?」と手を差し伸べてくれる。深くこうべを垂れながら、井地君改め井地神のおわす場所へ向かう。平らな寝床と伸ばせる足、暖かい暖房に涙を流しながら、歓談ののち、眠る。あったけぇ、あったけぇよ。