ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

11月15日 550キロ先の地で

朝は6時30分、ソウイチロウ君宅で起床。

ソウイチロウ君も寝ていたので、起こす。起き抜けて、準備を始める。ソウイチロウ君はシャワーを浴びて、私は昨日買った食パンに板チョコを挟み、食べる。

今日からまた県外遠征が始まる。本日は大阪、寺田町fireloopにて、ライブである。大阪という街は、やはり遠い。朝出ても、着くのは昼過ぎである。

基本的に運転はソウイチロウ君にお願いしているが、体調次第では私もやる。シャワーを浴びて、精神を整える。

 

7時20分くらい、出発をする。とりあえずガソリンを入れたら、サポートDr.みょーちん、サポートBa.お嬢の順に迎えに行き、小倉東インターより、高速道路に入る。いざ、遠征。

相変わらず阿呆な話を少ししたら、私はするかもしれない運転のために、眠る。

 

目が覚めたら、岡山であった。

スゲー良く眠れた。頭が結構、晴れている。気分は良い。最近の睡眠負債を、それなりに返せたようだ。ありがたい。

サービスエリアで、お嬢と一緒にパンを買う。食べたら、また出発する。運転を申し出たが、ソウイチロウ君が「まだ全然いける」との事で、甘える事にする。

阿呆な話、としたいところだが、もう最近ライブやらなんやらが続いており、あまりする話がない。何となくの沈黙のまま、車は中国道を駆けていく。助手席だが、また少し眠ってしまう。

 

大阪に入り、さすがに起きた私、携帯を片手にナビをしながら、7時間の道中の末、寺田町fireloopに到着する。お疲れ、様です。

挨拶をして、荷物を搬入する。入ると、外国籍であろう方々が多々いて、ビビる。本日対バンの、LIONAZEという方々である。海の向こうからやってきている。凄いね。

 

リハーサルを終わらせて、待機をする。

本日は1番目、他のバンドを見てテンションを上げられる場面はない。リハーサル終わりから、徐々に、気持ちを昂めていく。

少し、外を歩く。寺田町という街は、情緒にあふれていて、夕暮れがよく似合う。よい。

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のちに開場、少ししたら、出番である。身体をほぐし、セットリストを確認する。

SEが鳴る。fireloopはいつも、SEの0秒目から爆音で流してくれる。そういう気遣いが、たまらなく嬉しい。

入場して、ギターを構えて、SEを気合いで止め、適当な喋りから、さぁ、ライブである。

音を唸りに、唸らせる。叫ぶ。

演奏中、自分でもやばいと思う表情をしている時がある。身体の中からそのまま湧き出た、獣としての表情のような。そういうモノを、そのまま出せるのが、ライブは、良い。

現代を普通に生きたら、あんな顔をできる機会は、そうそう、ない。

 

30分、ほぼジャストで演奏を終えて、退場する。出来栄えは、まずまずであったと、思う。汗を拭いて、次のライブを観に行く。

そして、興行は続く。本日の揃いは、どれもこれも、凄まじい方々であった。実力から、完成度から、当人らの持つ歴史が、生き生きと渦巻いていた。こんなに濃い夜は、そうそう、ないぜ。

最後のMUSHA×KUSHAで、この渦は止まる。いや、よい夜だった。だが少し、疲れたな。

 

打ち上げ、ハイファイコーヒーズのVo.マリさんに、ボーカルについての指導を頂く。私のライブも観てくれて、かつハイファイからも大概凄いパフォーマンスを見せられたので、そこらの指南書とは、説得力が違う。ありがたく、承る。

ブッキングしてくれたソウルフードのヤスイ君とも話す。動員も知名度もない我々を、ずっと大阪に呼んでくれる。本当にありがたい。

今後の事や、バンドの「売り方」なんかの話をする。「売り方」というのが私は苦手なので、これもありがたく、話す。

ありがたい、ありがたい、ありがたい夜であった。

 

打ち上げ後、挨拶と搬出を終えたら、我々は京都へと発つ。明日のライブは昼スタートで、我々は12時入りである。もう入っておかなければ間に合わない。

京都の漫画喫茶に、サポートの2人を流し込む。我々ノンフィクションは、車を停め、寝床は車中ある。車中泊は嫌いではないが、無理にやる必要もないと思うので、お金が欲しいなぁとも思う。

後部座席に潜り込み、毛布をかぶり、眠る。ソウイチロウ君も前で寝ている。京の夜は冷える。それでも目を閉じれば、疲れから、眠気は、くる。