2023/12/1
朝、再びここは吉祥寺、「ネットカフェっぽい」場所で目を覚まします。寝ても覚めても自分が東京に居るという事実に若干ウケながら、買い置きのカロリーメイトを齧り、水をグビる。
荷物をまとめ、場所を引き払って集合。数日お世話になった吉祥寺を去り、我々は次の会場へと向かいます。吉祥寺、良い街でしたな吉祥寺。初めて、東京という街の人間臭さみたいなのを見た気がします。また来たいもんです。
重い荷物をエンヤコラ言いながら運び、慣れない足で知らない電車へ。本日は両国へと向かいます。
とても苦しそう。
本日は両国SUNRIZEにてライブです。ライブが決まってから、私は心に決めていた事があります。それは「相撲関係のMCをしない」ということです。やはり両国といえば相撲の町ですので、話したくもなるでしょう。しかし得てしてそういう話題は現地の人からすれは聞き飽きたものであり、神経を逆撫でしかねません。私も福岡にて、冬季に県外から来るバンドが「福岡だから暖かいと思ったのにさみーっすね！」とか言ってるのを無限に聞いてきました。聞くたびに軽く舌打ちをしていました。気をつけましょう。
しかし、駅を降りるとそこらかしこに関取関取、あらゆる場所にマゲとマワシが乱舞する町でした。ここまで相撲とは思ってなかったので、呆気にとられていましたね。いかん、話したくなってしまう。
両国の穏やかな街並みと、行き交う学生と、やはり入り乱れるちゃんこやら朝青龍やらを抜け、飯を喰らって両国SUNRIZEへ。スタンバイをします。
リハーサル、顔合わせを終えたら皆でコンビニへ。公園でコーヒーを飲んでいました。サポートベース坂梨形態も、1回本番をやったことで、大分結束が強まった気がします。技術的にも精神的にも、そして人間的にもですね。無意識で通じてるというとクサい話ですが、一緒にいれば少なからず無意識が繋がるのは間違いありません。そしてそういうのが、ライブでは生きてくるのです。ソウイチロウ君がぶちまけたコーヒーの後始末をしつつ、会場へと向かいました。
開場、そして開演。共演たる百鬼夜洸の作り出した雰囲気から、まこスケさん達の陽気な口上を聞いての我々です。じきに本番です。我々の中に、間違いなく滞留する昨日のライブの疲れと、遠征の気疲れ、移動の疲れ。グロッキーとは言いませんが、全快であるとはとても言えません。しかし得てして、そういう時にバンドってのは良いライブをするもんなのです。若干緩い腹具合を気にしながら、SEが鳴ればステージへ、SEが終われば演奏が始まります。
そして叫びました。存分に叫びました。東京でのライブも終わりですから、声帯を潰すつもりで叫びました。いやぁ、良いライブができたと思います。とても楽しかったですし、確かな噛み合いを感じました。
これにて東京のライブは終了、やりきりました。良いライブをしてやったぜと、内心はドヤ顔でオラついていましたが、今日のトリのGhettoがめちゃくちゃ良いライブをしていました。私も大層興奮いたしましたぜ。イベントの冠は我々が頂いていましたが、トリの彼らがきちんと主役をしていましたね。少し悔しかったですが、ライブはマジめっちゃ良かったので、単純に嬉しかったです。彼等とはまた、何処かで会うことになるでしょう。また必ず、演りますぜ。そういう人と出会えてまた、とても嬉しいです。
終演後、色んなお客さんと話していました。久しぶりにお会いした人。文面でやりとりをしていて、やっと対面で会えた人。「4年前の東京ライブを見て来ました」という人もいて、とても嬉しかったですね。とてもありがたい。MCでも言いましたが、我々が出会うべき人間と、僭越ながら我々と出会うべき人間がいると思って東京に来ています。後者はまだわかりませんが、前者の方には沢山お会いできました。ありがとうございます。我々頑張りますゆえ、どうか末長く、宜しくお願いいたしますぜ。
あまり相撲に触れなさすぎるのもどうかと思い、ステッカーに「どすこい」だけ書いて貼らせてもらってます。あしからず。
ここでこの2日のサポートベース、坂梨ともしばしのお別れとなりました。しかし今日は本当に良いライブをしました。もうなんか東京に居るというだけで、精神的にはメンバーです。ありがとう坂梨、またお世話になりますぜ。
東京2日のライブを無事に終え、ひとまずは安心しました。良いライブも見て、打ち上げでもしこたま笑って、大層良い気分で両国の町に躍り出たノンフィクション。ホクホクの気持ちです。しかし終電すでになく、明日の飛行機は成田で昼。この後、この旅の本当の困難が待ち受けているとは、まだ知る由もないのでした。
