ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

コタツはめ殺し

2024/1/24

昨日くらいからやけに冷えます。空気が冷えれば身体も冷え、凍てついた末端神経は暖を求めてコタツへと滑り込みます。コタツに入れば殺気は緩み、何をするでもなくただ時間を浪費します。格闘ゲームにおける画面端の固めコンボみたいなのをくらうように、存在がコタツへと固定されていました。後回しにしていた連絡だけを辛うじて済ませたら、それなりの時間をしゃがみガードで過ごしていました。

暖房を付ければ良いのですが、なぁにこれも一時的なもの、すぐに温まって仕事に戻るさという傲慢が我が神経系に絡まり、結局は出られないループを繰り返すことになります。いや本当に、付ければ良いのですがね、暖房。わかってはいるんですが、人は往々にしてわかっている事を放置してしまうもんです。大抵の文句や愚痴にはわかりやすい解決法が存在しますので、それらがこの世に溢れるということは、つまりそういう事なのです。

なんだかグダグダしているうちに夕方になり、流石に腹はどうしようもないと夕餉の支度に乗り出しました。夏の残骸である素麺を茹で、温かく頂く。そういえばZAZENが新譜を出したというので聴きながら頂く。歯切れの良いカッティングに興奮したせいか、はたまた湯に浸かる小麦が食道を滑り落ちたせいか、寒さは少し和らいでいました。いつのまにか六畳は暗く、キッチンの灯りのみが点灯しています。汁の一滴まで飲み干したら、洗い物を後回しにして、またコタツに入るかどうかを考えていました。