ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

シン・堕落論

 

 

 

 

2022/2/11

シン・堕落論

起きてから、部屋でずっと堕落をしていました。

何かやろう、やらねばと思いながら、意識は液晶に吸い込まれ、別に見たくない動画を瞳孔に映していました。コタツに入り冷えた末端の神経を温めながら、虚空に向けて呪詛を唱えるこの時間。あまりにも無為で情けなくなります。

しばらくしてやっとこさ起き上がり、とりあえず状況の整理のために外に出て、コンビニで買ったコーヒーを飲みながら川べりを歩く。良くない、あれは実に良くない。あの虚無の時間、生涯でもう何時間過ごしたかわからない、あの完全なる無駄な時間。あれを人生から取り除くことができれば、どれだけ充実するのでしょうか。

色々、対策は考えます。心構えを変えるとか、生活のパターンを変えるとか、日常の動線を変えるとか。色々と考えはします。しかしあの時間、あの虚無の時間の中に居る私は、今こうやって動き出した私とは完全に別人になっています。今のこの動き出した私が対策を考えたところで、虚無の私がそれを実行するとは思えません。酔っ払った反省をシラフの時にやるみたいなもんです。

完全に無駄とは言いません。何か少しは変わるかもしれません。しかしその変わったものもどうせ長続きはしません。その証明にここ十数年、ずっと変わらない日々を過ごしています。だから何を考えても、何をしても、たぶん私の人生は、私の堕落は大して変わりはしません。

それがわかっていても、やはり考えてしまうのですよな。もっと有意義な方法があるはずだ、もっと良くできるはずだと。どうせ無駄なのはわかっているのに、いまだに悔いてしまうのです。

起き上がるのが遅かったせいで、川べりはもう日が暮れていました。何年も前からあまり変わらない景色を眺めながら、帰ったら何をするか考えていました。