ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

5月1日 エンゲキをやる。

朝は、7時に起床。

起床だが、嗚呼、頭が、重い。昨日は無駄に3時まで活動をしてしまったゆえ、4時間という、大学生でもそこそこのダメージを受ける睡眠時間になってしまった。

3時まで活動していたが、そこまで没頭していた訳ではない。単純にパソコンのエラー、それに伴う不貞腐れと、それに伴う現実逃避で2時間くらいはロスをしてしまった。それ故の、3時である。

やるべき事は大体出来たが、まぁ、脳内は乱雑である。色々と、良くない。色々と、良くない。

良くないが、事はなさねばならぬ。本日は北九州にて、演劇の稽古である。初合わせである。私がしっかりしないでどうする。とりあえずお湯、そしてバナナとパンを食う。荷物を確認して、しばらく天を仰いで鳴き声を発する。そうしているうちに時間なので、自宅を出る。自転車で行こうとも思っていたが、危険が過ぎるのでやめておく。

朝の街を、駅に向かい歩く。それでも、バイトに向かうよりは、足取りは軽い。街も心なしか綺麗に見える。こういうことだけ、やっていきたいなぁ。

 


駅、電車、バスを経由し、小倉駅に着く。

コーヒーを脳に入れ、目を覚ましていると、ソウイチロウ君の迎えがくる。車に乗り込み、借りている練習場へと向かう。

付設の駐車場に車を止め、エレベーターで垂直飛び、練習場に着く。今回使うのは、市が管理している、まぁ公民館みたいなものである。当然であるが、普段のバンドで使っている練習スタジオとは、もう雰囲気が違う。当然であるが、ステッカーなんて何処にも貼ってない。ソウイチロウ君と二人、若干の気後れをしつつも、部屋を借りて、いざ練習室へ向かう。


さて、練習室たる小部屋。穴の空いた白い壁に、板張りの床、机と椅子、布がかぶさっているピアノ。なるほど、この雰囲気はアレだな、放送室だ。とても静かで、私は落ち着く。ソウイチロウ君は落ち着かないらしい。私は、このまま眠りたいくらいだが。


少しして、あきら君が来る。演劇は、私、ソウイチロウ君、あきら君、りんごちゃんという4人で行うが、本日りんごちゃんは病欠である。仕方なし、3人で始める。

さて、まずは、遊ぶ。なんか、演劇の稽古は、最初に少し遊んで、空気を作ってからやるらしい。正直ここ3人はもう見知った仲なので、必要があるかと言われりゃ微妙だが、遊びたいので、遊ぶ。持ってきたボードゲーム「ダンジョンオブマンダム」をやる。

5年ほど前、私が演劇をやった時は、この時間に初めてやったボードゲームがきっかけで、今の惨状がある。ありがとうボードゲーム

30分ほどのチキンレースの結果はソウイチロウ君が勝利、悔しいぜ、くそう。


さて、ここからが本題である。私が作り、持ってきた台本を、皆に渡す。そして読んでもらう。私の書いた初めての脚本が、台詞が、じっくりと読まれている。初めて歌詞を見せた時の恥ずかしさを思い出す。うぁぁ、顔面が燃える。

読み終えてもらったら、脚本の説明をする。舞台の詳細と、今後の流れを、ある程度の範囲で説明する。ここもまた、気恥ずかしい。しかり、乗り越えねばならぬ。

お二方は、茶化すでも無関心でもなく、しっかりと聞いてくれている。ありがたい。


そして、台詞を、読んでいく。演劇の、右も左もわからぬ3人が、台詞を読み合わせていく。皆たどたどしいし、まだ5分くらいの量しか書けていないが、それは確かに、演劇であった。私の空想の中のものが、今確かに、具象化されたのである。確かな喜びが、ある。

初めて、曲を作った時を、思い出す。

同時に、初めての曲のクオリティを思い出して、身が締まる思いである。頑張らねば、ならぬ。

さて、説明を挟みつつ3度ほど読み合わせしたが、まだ5分分くらいということもあって、少しだけ時間を持て余す。仕方ないので、もう一度、遊ぶ。こういう時は思い切りが、大事だ。

前回のゲームはソウイチロウ君の勝ちだったが、今回は私の負けであった。いいところがない。

そうしているうちに、時間である。部屋を片付け鍵をかけ、練習場を後にする。


あきら君と、次の日程を取り合い、ここで別れる。我々は車を運転して、ソウイチロウ君はそのまま職場へ、私はソウイチロウ君宅まで車を置きにいき、高速バスで福岡へと帰る。

大変だなぁこれ。しかし、大丈夫、楽しい。まだ、楽しい。

 


福岡に帰る。一瞬だけと時間を決めて、ボードゲーム屋に行く。このまま家に帰っても、たぶん疲れてロクに仕事ができない予感がするので、気分を転換させねばならぬ。という言い訳の元、ボードゲーム屋に行く。少しだけ買って、今度こそ自宅に帰る。

さて、自宅。さて作業と、入ろうとすると、またもパソコンがエラーを起こす。もう勘弁してくれよ。私に、やる気をなくすきっかけを、言い訳を、与えないでくれ。頼む。

何とか少し、作業を進める。それでも、全然足りていないが。そのうちに、演劇の練習日程にも、トラブルが生じる。あぁなんかもう、だめだもう。

そこから、アコギを練習する。練習はしなければ。練習したのち、アコギをハードケースに入れる。これを、大阪まで送らねばならぬ。

少し先の大阪のソロの際、どうやら予約しているバスが楽器をガチで持ち込めないらしく、別の方法を取らねばならぬ事になる。しかし今はゴールデンウィーク、郵便局が休みだったり、様々な支障が出る。一度決めた別の方法も、調べてみたらダメであった。仕方なくコンビニから送ろうと持って行くと、大きさがギリギリでアウトであった。数ヶ所に電話をかけ、ホームページの情報と実際が違っているのに踊らされつつ、何とか段取りを組む。これなら、大丈夫な、はず。

もう、傷心である。ダメだもう、何をやってもうまくいかない。そして傷心ゆえに仕事への気力は減り、仕事ができないのでまた傷心、これはもう、最悪である。

それでも、やるしかないのだが。


アコギを持って無駄にコンビニに行った足で、そのまま実家へ、飯を頂く。飯が美味しいのが、現状の救いである。ありがたい。

傷心の私に、さくら嬢が近づいてきて、座っている私の膝を嗅ぎ、私を一瞥して、去っていった。膝、座れや。おい。少しだけ笑う。


事務所に戻る。

しかしもう、なんかもう、ダメだ。

ゆっくりと、ブログだけでも、書き始める。


書き終えたら、やはり少し、作業をせねばならん。作業をして、眠ろう。

明日は仕事だ、いかんね、これはもう。いかんよ。