ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

6月14日 まぶしい地獄、マジ鬼素敵

朝は6:40に起きる。本日は、バイトである。

朝が、朝がゆっくりできない。私はそれなりに夜行性の生き物だとは思うので、夜は結構動いてしまう。連日、朝に用が詰まると、人生の難易度がひとつ上がる。バイト、変えた方がいいのかしらん。もしくは、時間帯だけでも。

眠いしキツイが、まぁ仕方がない、シフト表に刻まれた私の苗字二文字が、今日の私の運命である。昨日、実家からくすねたパンを喰らい、コーヒーまで飲む。長針に責め立てられるように、着替え、荷物を持って、家を出る。外は曇り、なんとも、はっきりしない。

出る時間が、少し遅くなったので、少し早足で駅へ向かう。電車に乗り込み、街へ。そこから早足で、バイト先へと、辿り着く。

 

同僚に挨拶を交わし、着替えて、タイムカードを打つ。時給が発生する時間を、いかにやり過ごすか、しかし怒られたくはないし、評判を落としたくはない。ボードゲームで鍛えた思考でジレンマを掻い潜り、適度に働き、適度にサボる。バイトというものは、サボればサボるほど、相対的に時給は上がっていくんだぜ、覚えておけ。言ってそこまでサボりはしないけど。

それなりに、暇であった。順当に事を済ませ、やるべき事をなしたら、返しのタイムカードを打刻。お疲れ様でした。今日もよく、働いた。

 

その後は店のスペースを借り、パソコンにて作業を始める。最近は「とりあえず30分」という仕事法を編み出した。休もうか仕事しようか色々考える前に、とりあえず30分だけやるのである。やってみれば30分とは一瞬であるし、そのまま気が乗れば続ければいいし、辞めたところで罪悪感は薄まる。それに、30分でも集中すれば、それなりの仕事量はできる。

という事で、夜までの時間、あまりグダらず作業ができた。この方法はいいかもしれぬ。

ひょっとしたら単純に、ツアーの流れが終わったので、心因的に楽になったからできてるだけかもしれないが。まぁ、どちらでもよい。とりあえず、やるだけよ。

適度に休みつつ、夜となる。本日は演劇の練習であるので、実家には帰らず、そのまま北九州に向かう。店を出ると、予報どうりの雨。憂鬱を感じながら、街を行く。

腹が減った。ラーメンを食べたかったが、金銭を考えてマックで妥協。トレーを持って席に座り、バーガーを2個頬張り、水を流し込む。最近、マックが多いな。気をつけねばならん。明らかに、食べ過ぎて良いものではない。栄養を考えねば。

というか、外食で、きちんとした栄養の食事って、ハードル高くないすか?どこもかしこも肉と炭水化物。野菜は高い上にそんなに美味しいものではない、栄養、栄養、栄養が欲しい。そして金も使いたくは、ない。300円以内で、栄養価の高い食事を、誰か俺に教えてくれ。

ゴミを捨て、トレーを重ね、微妙な足りなさを感じながら、高速バスに乗り込む。バス内では、ライブ勧誘の連絡を、各人に送らせてもらう。文章を打っていたら、まぁ見事に、酔う。狂った三半規管とは、幼少時からの仲良しである。私は仲のいいつもりはないのだが。

バスを降りる。雨はまだ降っているので、傘をさして歩き出す。疲れと眠気と吐き気の水割りを揺らしながら、歩く。

 

ソウイチロウ君宅に着く、演劇の面々が集合し、練習が、始まる。と、その前にボードゲームをやる。りんごちゃんが持ってきた「たった今考えたらプロポーズの言葉を君に捧ぐよ」という、名は体を表すを地で行くゲームである。カードを引いて、プロポーズの言葉を作る。私の作った「君はマジ鬼素敵、結婚しよう」「君と僕はまったり永久にロマンティック、愛してる」が光る。

阿呆な言葉に笑いながら、「君はまぶしい地獄だ」などの詩的さを前面に押し出したあきら君が優勝。悔しいが、まったり永久ロマンティックという言葉を作り出せたので、よしとしよう。

 

練習を、始める。

台本の追加分はないので、すでにある分を読み合わせる。微妙な言葉のニュアンス、感情、全体のテンポなどを、一回一回止めながら、確認し、作っていく。私のイメージを伝えるのが難しい。音のようにコードがはっきりしていないので「何々な感じ」という抽象的なものになってしまう。人の挙動とは、難しいものである。

結局、10分くらいのセクションを、ガッツリ2時間突き詰めて、練習は終わる。練習開始から日が浅いとはいえ、これでもまだ足りない。演劇、難しい。そして、楽しい、な。うん。まだ、楽しい、ぞ。

深夜なので、りんごちゃんを送る。送るついでに、使わせて貰う予定の会場を、下見してみる。実際の配置を想定して、りんごちゃんとアレコレ言い合う。ふむ、それなりに、手を加える必要が、ありそうだ。

その後、りんごちゃんを家まで送り届け、我々も、帰路につく。

 

演劇、知らない事が多すぎて、大変である。結構にしんどい部分もあるがしかし、楽しい。だからこそ、楽しい。

この歳になったら、初めてとはいえ、もう下手なものは作れない。私の沽券に関わる。しっかりと、せねばならん。

気を引き締めて、ソウイチロウ君宅にて、眠る。