ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

6月17日 髪切り無視と向き合って

六畳間にアラームが鳴り響く。

それを止めるために携帯を手に取り、操作すると、何故かミュージックが起動し、爆音で完全にノンフィクションを歌い出す。私はもう、パニックである。混乱した意識で音楽を止め、アラームも、何とか止め、一息をつく。

朝は6:45。起きる。

いつも通りの流れのはずだが、何故こんなにパニックになってしまったのか。昨夜また夜を更かして寝不足のせいか、夜は少し蒸したのに、朝は冷えたせいで落ちた体力のせいか。何でもいいか、疲労と混乱で朝から破壊された脳を動かし、水を飲み、バナナを食らう。

おはよう日本。そういえば、昨日掃除をしたのだった。うむ、気持ちは、良い。だが本日はバイトである。見事に相殺される。行きたくないなぁ、もう。

とある筋より、「ノンフィクションの映像」に少しエラーが起こっていることを教えてもらう。これはいかんと、パソコンを立ち上げ、修正作業に入る。具体的に、アップロードした動画に、作成中の演劇の台本がモロに写ってしまったので、昨日ボカシを入れたのだが、調整を失敗して、数分ボカシが残る仕様となってしまった。

トラックボールをぐりぐり、ユーチューブのページから、ボカシの設定を変える。一瞬入れるには何とも使いにくすぎるボカシ機能にイライラしながら、しかし自業自得だと受け入れながら、何とか作業を終わらせる。

バイト前から憔悴する。もうやーよ。行きたくないね、もう。

 

しかし、行く。着替えて荷物を取り、外に出る。自転車を解放して、道路へと漕ぎ出す。外は快晴、温度も風も、いい感じである。できれば、バイトなし、体調も良しで、感じたかった。

道中、事務所の鍵を実家の郵便受けに入れる。本日、なんと事務所にクーラーがつくのである。しかし施工の日、私が間違えてバイトを入れてしまったがゆえ、立会いを親族にお願いしているのだ。このために掃除した部屋が、お目こぼし頂けますように。祈りながら、ペダルを漕ぐ。

 

学生とスーツとすれ違いながら、街へ。駐輪場に愛機を止め、バイト先へ、着く。着替えて、タイムカードを刻み、さて、働くぞ。

本日は、新人さんがいた。20歳男性である。若いなぁ20、いいなあ20。同僚と2人、仕事を教えながら、和気藹々と仕事をしていた、していた、つもりだった。

なんとこの新人、2時間半で辞める。

いくつかの作業ののち、「しんどいので辞めます、すみません」と挨拶をし、着替えて、店を出ていった。

何が起こったのか、未だにわからない。ひょっとしたら、私の伸びすぎた髪がキモかったのかもしれない。

とりあえず確実なのは、教育に使った2時間半は、丸々、無駄になったということ。そのせいで押していた仕事を、2人でこなさねばならんこと。結局1時間半押しで、バイトが終わった事である。

疲れたし、苛つきもするが、「2時間半で辞めた同僚」という、伝説的な体験をさせてもらって、それなりに満足している。ありがとう元同僚。君のことは、多分マジで、一生忘れないと思う。

終わり、同じく疲れ切った現同僚と、飯を食いに行く。吉野家にて、職場の未来を憂いながら、牛とメシを食らう。

 

自転車で、帰宅。

水辺を通ると、蒸された土と草の匂いが、むわりと鼻孔を撫でる。夏の、匂いだ。

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帰宅途中、ついに意を決して、髪を、切りに行く。やはりこれは、キモかったかもしれぬ。

見知らぬが安い床屋に入り、緊張のまま、慣れないオーダーをする。髪の切り方のオーダー、未だに正解がわからない。正解がわからないのに、切られたら不可逆ってこれ、怖すぎません?私はマジで怖い。変な髪型になって笑われても、戻るのは数ヶ月後ですぜ?怖すぎるにも程がある。そのうちに、鋏が交錯する音が鼓膜を揺らし始め、理髪店の匂いと共に、慢性的な恐怖が肺に満ちる。

 

まぁ、切ってしまえば、なんてこと、ないんですよ。思いのほか悪くない仕上がりに安堵しながら、会計。店をでる。少し眠っていた事もあり、内外共にスッキリした頭に、スーと風が吹く。風通しが、変わっている。いいね。考えてみれば、多分最後に切ったのは、昨年12月くらいだ。まじかよ。

 

そのまま、実家へと、入る。疲れた、ぜ。

風呂を頂き、飯も頂く。クーラーは無事ついたらしい。部屋のクオリティも、許容して頂いた。安堵アンド安堵。ありがとうございました。

明日の朝食のため、自分用の握り飯を拵え、事務所へと、戻る。

 

戻ると、少し連絡を、する。

今度の演劇の、会場の相談である。演劇の公演は初めてなので、勝手がまるでわからん。料金システムと、日程の確認だけしてもらい、今公演の客演(バンドで言えばサポート)たるりんごちゃんに相談の連絡を送る。

 

後輩のとある男と、連絡をする。次の演劇をするにあたって、大学生のリアルな話を聞きたかった。私なんて、卒業から7年くらい経ってるもんでね、忘れる、忘れる。

 

お嬢と、日程の話をしたかったので、電話をするも、出ず。二度するも、出ず。どうした、髪はもう、キモくはないはずだが。

 

そしてブログを書き始める。

これが終われば、また作業、作業ですぜ。