ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

虚空から溢れる

 

 

 

 

2021/11/29

虚空から溢れる

最近、谷川俊太郎が私の「推し」である。

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すごい今更な話なんだろうけど、すごい詩を書きます。それも突飛な単語や言葉遣いではなく、我々も一般的に使うような表現を使って、我々が一般的に見ている風景の、何気ない美しさなんかを鮮明に描写している。「克明」ではなく「鮮明」という感じ。世の中に対する解像度が半端ではない。すごい。

詩の内容や解釈についてアレコレ語るの、意味がないとは言わないけど、ほどほどにナンセンスだとは思っているので多くは語りませんが、最近は本当に感銘を受けています。「何気ない日々の、何気ない瞬間」みたいな描写が巧すぎる。最近は図書館に行っては本を探す始末。すごい。

思えば遥か昔のマイ幼年期、「もこもこもこ」という絵本を母に読んでもらっていましたが、この絵本も谷川俊太郎作です。当時から、訳がわからないなりに、何かしらの「凄み」みたいなものを感じていました。今思い返しても内容は全くわかりませんが、それでも凄みは感じられると思います。

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詩、ってのは、完全にもう言葉だけの世界。言葉が数行並んで、それで終わり。その実に簡潔な世界に、私は言いようもない美しさを覚えます。

私は現状、詩を書く気はないですが、詩によって生まれるような情動は、私の目指すところであります。言葉の並びに、音楽をつけることで生まれる、立体の情動。言った言葉と言ってない言葉の間、その虚空から溢れるような無限のテキスト。そういうものをね、私は作りたいんです。ただ音を鳴らして楽しいだけでなく、そういうものを。

作ります。頑張ります。