ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

イノセンスセンス

2023/9/27

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友人曰く「自傷行為に近い」という二郎系ラーメンを喰らい、慢性的なストレスと、油と小麦で鈍重な腹をトレードオフしていました。二郎系、もうちょっと早く出会いたかったですが、早く出会っていると私の健康はそれなりに害されていたと思うので今くらいが丁度いいのかもしれません。

腹を馴染ませるために歩を散らす最中、ふと文房具屋を見つけたので入りました。文房具屋は私の生活と関わりがないため、普段はあまり行きませんが、入ってみると楽しいですな。キャラクターの可愛らしいものであったり、私の知らない機能的な文具があったりして、ひとりテンションが上がっていました。「腹に挟むことで猫背を矯正する」というぬいぐるみには度肝を抜かれましたね。アイデアの勝利です。

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そんか中、店の中には子供の描いた絵が吊るされていました。どれもよく描けています。素晴らしい出来栄えです。

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自分で言うのもアレですが、私は結構早熟だったと思います。子供の頃、例えば私がこういう絵を描いて、大人に「上手いね〜」なんて言われても「ああ、私が子供だから褒めていて、本心は別なんだろうな」なんて思っていました。自分の絵を見ても、大人が言うほど良いものには見えませんでした。

しかしこの歳になって見てみると、あれは本心だったんだなと思います。今私の眼前にある絵は、どれも上手いです。もちろん「子供だから」という注釈はあるものの、子供が絵を描くという行為自体がもうなんか、凄いことです。あの体で、あの目で、あの頭で考えて、白紙に色を落としていったんだなと思うと、感慨深いものです。

しかも、こうやって見てみると、本当に自分の目で見て、頭で考えて描いたのがわかります。少し大きくなって物事を考えられるようになると、どうにも人は「絵っぽいもの」を描こうとしてしまうのです。自分の知っている絵、見たことある絵、それになぞらえると言いますか、自ら型にハマりにいく流れ、あると思います。

子供の描いた絵、これはもう、すごく純粋ですね。どれも自分の思うものをそのまま描いています。上手い下手とかではない、混じり気のない直情は、むしろ大人の絵よりも深く感じられます。イノセンス、かつプリミティブ。いやぁ面白いもの見ました。

私もたぶん、私の考える「曲っぽいもの」を作っているのでしょう。別に悪い事ではないですし、私が望んでいる事でもあります。今更そんな、前衛的な事をする気はないですし、私は私のこの道を信じて行くのみです。しかし時折、あの自由さ、無垢さ、純粋さが輝いて見える時があるのですよなぁ。