ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

サクラ ver2022

 

 

 

 

2022/3/29

サクラ ver2022

ツアーをしていたら、いつのまにか私を差し置いて、桜が満開になっていました。これはいかんと桜を見に、近隣の神社に行っていました。

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この神社は結構、桜で有名な場所なので、平日ですがそれなりに人がおりました。みな、桜を見上げながら、思い思いにスマホをかざしておりました。桜を撮っていたり、桜を見る子供を撮っていたり、抱っこしている子供とのツーショットだったり、どれも微笑ましく、とても平和でした。初春の午後に深い深い、息が吐けるもんです。

春休みでしょうか、ピカピカの制服を着た女生徒が3人、桜をバックに写真を撮っていました。とても良いです。そのうちの一人だけ制服が違っておりまして、それがまた大層エモい。彼女らにはこれまで練り上げられた物語があり、今後紡がれていくストーリーがあるのでしょう。満ち溢れた行間と文章量が、反射で光ってきらきらと眩しいです。

そんな中、桜を尻目にずっと猫を撮っていました黒パーカーの男、それが私です。どうも不審者であります。

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なんとなく、あまり桜の写真は撮らないようにしています。本当になんとなくなんですが、春以外に写真なんかで桜を見てしまうと、いざ春に見た時の感覚が薄れてしまう気がするのです。

春になり、満開の桜を初めて見た瞬間の、あの淡い衝撃。色鮮やかな風に撫でられたような、あの感覚ね。あの感覚が好きなんですよ。私はあれを少しでも深いものにしたくてね、なるべく、春以外に桜を見ないようにしてるのです。

なので、桜はめちゃくちゃ綺麗なのですが、猫ばかり撮っていました。猫はね、いつ撮ってもいつ見ても良い。かわいい。

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しかし、また春が来ちまいましたな。物心ついた歳は覚えてませんが、30回目くらいの桜になる訳です。ありがたいことに、まだ毎年、感動できるくらいには飽きていないです。

今年の分は今日、しっかり見ました。また来年もしっかり感動できるように、やはり写真は撮らないでおきます。