ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

10月20日 生態と習性

朝は10時、ソウイチロウ君宅にて起床。

ソウイチロウ君はもう起きて、準備をしている。私の目覚めは、悪い。意識が寝床と吸着している。とても、動けぬ。動かぬ。昨日は弾き語りとはいえ、連続ライブ3日目、無理もないかもしれぬ。

少し窓を開け、外の空気を吸う。秋空に、雲が点々としている。実に自然体な空気感。良い。

時間が迫るので、なんとか起き上がる。昨日買った食パンに、チーズを挟んで食べる。シャワーを浴びて、準備を、整える。

時間が来たら、荷物を持って家を出る。車に乗り込み、発進させる。

本日は、周南riseにて、ライブである。

 

みょーちん、めぐちゃんを迎え、車は本州へ向かう。高速を使う案もあったが、来月からのツアーもあるので、行ける道は下道で行きたい。値上がりして中途半端な額になった関門トンネルにイラつきながら、行程は進む。そろそろ、ETCに対応させろ、ここは。

阿呆な話をしながら、時には眠りながら、途中のカツ丼屋にて食事を摂り、周南へとたどり着く。周南riseは久々であるが、それなりに回数は来ているので、馴染んではいる。荷物を降ろして、挨拶をする。

本日は、長崎、BAN'S ENCOUNTERもいる。彼等とは、結構長い付き合いである。しかし会うのは久々、共演はもっと久々である。とても嬉しい。

リハーサルを終えたら、さて、私は外に、猫を探しに行く。この周南市、いや、周ニャン市、猫が非常に多いのである。それは私に、よく効く。もっとやれ。

道をウロウロとしながら、見つけたら歓声と共にパシャりパシャりと撮り歩く、流石に触らせてはくれないが、猫はもう、そこにいるだけで、私にとっては救いになる。ありがたや。

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顔合わせを終え、スタンバイ。皆でコンビニに行く。周南rise、コンビニが少し遠いのが辛い。しかし、道の風景はとても良い。この時間は空も妖しげな赤に染まっており、とてもとても、良かった。

コーヒーとエナジードリンクを買って、戻る。

 

開演する。我々は2番手。1番手のTrinityを少し見たら、楽屋へ。メンバーと、曲順を確認し、気を高める。

バンドが終わって、転換をする。本日は全6バンドといるので、必然的に楽屋が狭くなる。ステージから出るバンドと入る我々で、四苦八苦しながら、セッティングをする。

 

大音量でSEが鳴る。

タイミングで、入場。ギターを持って、合図で音を切る。さぁて、ライブが、始まる。

音を合わせて、叫んで、歌って、暴れて、叫ぶ。とにかく、大きい、大きい、大きいライブをしたい。演奏、歌、リズム、すべて大事だが、気迫と比べれば二の次以下である。とにかく、大きく。

約25分の演奏で、ライブは終わる。少しは大きくできただろうか。

ありがとう、ございました。

 

片付けて、すぐに機材を楽屋から車に運ぶ。外に出ると、火照った身体に、風が心地よい。調子に乗ると風邪をひくだろうが、この気持ち良さは、とても、良い。

そのまま、駐車場で軽く反省会をする。勢いはあったが、それに任せすぎたかもしれない、という話になる。気迫は大事だが、逆に言えば演奏なんかは最低条件であるので、それもしっかりと、詰めねばならぬ。

 

終わったら、共演を見る。本日は、真っ直ぐなギターロックが多い。ああいう真っ直ぐさは、私にはないものである。そういう歌を歌って、評価されて、人生を前に進められるのは、とてもとても羨ましい。嫉妬すら、少し、ある。

そしてバンズを、久々に見る。彼等もまた真っ直ぐで、眩しくて目が潰れそうになる。私が捨ててきたもの、捨てさせられたもの、失ったものが、彼の人生では煌々と輝いている。

素晴らしすぎて、死にたくなる。

別に皮肉を言っているのではない。ライブも、彼等も、素晴らしかった。ただ、彼等が光り輝くと、暗がりに隠していた私の人生の恥部が、余さず晒されるような気になるのだ。

自分でも、考えすぎだと思うけれど。

 

最後の街人まで終わり、公演は終わる。フロアには、希望の唄の残響がまだ残っている。私は、物販を売り、途中からは外でフライヤーを配る。

 

終演後、残りの機材を片して、清算をして、打ち上げ。打ち上げは、我々以外のバンドは皆、旧知の仲のようで、全体の話にはあまり入れなかった。こういう飲み会は、辛い。だが彼等に非はない。

かつてこういう場について「関係ない、強引に話に入っていけ」と言われた事が、何度もある。なんだそれ、拷問かよ。

ひっそりと、場を離れる。1対1なら普通に話せるので、そういう場を狙う。

 

打ち上げも終わり、帰宅する。ソウイチロウ君運転の元、2号線をひた走る。それでも、打ち上げは楽しかったので、私は軽く躁状態で、ひたすらに喋っていた。深夜テンションと疲れもあり、後半は「長府」という街の中「長府チョップ!」なんて言いながら爆笑していた。もうダメかもしれない。

めぐちゃんを送り、みょーちんを送り、我々もソウイチロウ君宅に着く。戻って、流石に今からブログは書けない。そのまま、眠る。

 

なんだかんだ、3日連続のライブが終わる。バンドの在り方、音楽のやり方、みたいなものを、沢山考えた3日であった。

 

考えても、それでも、今更生き方を変える事は、できない。できない。できませんよ。

参ったよ、これは。