ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

10月4日 ダークアフター

朝は、11時、事務所にて起床。

悪くない目覚めである。さぁ、今日は何をしようか、なんて考えていて思い直す。寝ぼけていた、ライブやんけ、今日。隣の部屋に、メンバー、おるやん。

水を飲み、どうせ寝てんだろとタカをくくり、叩き起こすつもりで戸を開けたら、普通に2人とも起きていた。拍子は、抜ける。

2人、というのは、みょーちんとソウイチロウである。サポートBa.たる岡田くんは、泊まりの先約があったので、別宅にて泊まっている。

 

各々、昨日スーパーで買った朝食を、モソモソと食べる。本日は熊本ジャンゴにてライブである。出立までは時間があるので、ゆるりとする。ボードゲームもしたかったが、ソウイチロウ君が明らかに難色を示していたので、辞めておく。まぁいいさ。

時間になったら、荷物をまとめて、家を出る。車に乗り込み、まずは銭湯に向かう。しばしゆるりとしたら、岡田くんと合流。そのまま、熊本へと、向かう。

 

ソウイチロウ君運転の元、高速を走らす。また、阿呆な話をしながら、高速を走らす。寝てた方がいいのだろうけど、楽しいのだよなぁ、これも。休憩を挟みながら、九州道を南下する。

本日は、17時会場入りと、結構に遅い。11時起きで朝食、14時半出発なので、飯のタイミングが、非常に微妙である。各々、サービスエリアで、思い思いに胃を慣らしておく。

 

熊本に、着。やぁやぁ熊本、お久しぶりだぜ。

ジャンゴにも着く。荷物をぶち込んで、一息を、つく。リハーサルまで終えたら、昼食になるのか夕食になるのか、わからないが飯を喰らいにいく。

麺類の気分で商店街を歩き、値段で何軒か弾いたのち、結局リンガーハットに落ち着く。困った時のリンガーハット、これは、強い。「まぁ、野菜も摂れるし」という最後の一押しがが、まぁまぁ強い。かつて北九州のリンガーハットで8年間働いていた私も鼻が高い思いである。ちゃんぽんを、啜る。

 

そこからはジャンゴに戻り、昨日のブログを書く。もう夜である。やはり連日のライブの日は、いつ書けばいいのかさっぱりわからん。何とかかんとか、開演までに投稿を終わらせる。

そして、開演、する。

 

対バンを見ながら、準備を整える。最近では珍しい、アコギ指弾きで綺麗に音を鳴らす福田さん、笑っちゃうくらいのエフェクターと、笑っちゃうくらいのポストロックをやる長崎佐世保シャルルマーニュ、それぞれ見ながら、過ごす。2日目ではあるが、そこまでの疲れは感じない。体調も悪くなく、朗らかに楽屋で過ごす。そこでメンバーと話しながら、気づく。あれ?これは、油断を、しているのでは?

こういう日は、とんでもないライブをしてしまう時がある。もう十年バンドやって、いい加減少なくなったが、それでもこの油断は、嫌な予感を招く。気を、引き締める。

そして、出番である。SEが鳴って、入場する。

口上を述べ、鳴らして、叫んで、鳴らす。

身は発熱し、脳は踊り、精神は過剰され、色んなモノが、解放、開放される。音から歌詞から全身から、無限のテキストが、空間を埋める。やはり、ライブは、良い。

 

そして、終える。

ありがとう、ございました。今日もよく喋りました。

 

片付けて、汗を拭いて、物販へ行く。結構な人が来てくれて、買ってくれて、とても嬉しい。とても、有り難い。

成功のためとか、将来のためとか、それもなのだけれど、シンプルに、演奏をして、「良い」と言ってくれるのは、もう何年やっても、嬉しいものである。

そして最後、マーシーウッドペッカーがその才を披露する。すげぇ、きちんと正統派ギターロックバンドであり、皮肉や嫌味ではなく「今風」の音楽をやっている。若いのに、ステージ上も自信に溢れている。お客さんも、きちんと着いてきているようだ。きっと熊本において、勇者みたいなバンドなんだろう、羨ましいなぁ、もう。

 

公演は終わる。

勇者になれなかった我々は、それでも今日は結構、良い評判を頂いた。物販も、結構に出た。ありがとうございます。

 

お客さんもはけて、片付けたら、軽く乾杯の打ち上げが始まる。ナンバーガールを見てきた自慢や、エフェクター談義をする。

そのうちに、荷物を積み込み、挨拶をしたら、我々も車を出す。ソウイチロウ君が眠そうなので、私が運転して、熊本の夜を駆ける。

熊本、ありがとうございました。また、来ます。遠からず、ね。

 

さて、高速は使わず下道で行く事にした我々は、グーグルマップの甘言に惑わされ、ありえないくらいの山道を越える。もう、闇、黒。街灯なんて存在しないハードコアな道のりを、ギャーギャー文句言いながら運転する。

結局、山を3つくらい越え、やっとこさ、福岡に着く。運転自体は3時間もしていないが、私はもう、7時間くらいの疲労度であった。グーグルマップめ、覚えていろ。

事務所に着いたら、ソウイチロウ君を起こし、私は別れる。お疲れ、様でした。

 

 

 

しかし、1点、気になる点があるのだ。

暗黒の山道を走行中、途中、信号のない横断歩道に、女子小学生のような何かを見たのだ。赤いランドセルで、黄色い帽子、手を挙げていた。見つけた瞬間、私は叫んだ。メンバーは、誰も見ていなかったという。

いや、多分人形だと思うのだが、アレは一体なんだったんだ?人形にしても、結構大きいサイズのものだった。そもそも、あそこに横断歩道はいるのか?山道ではあった。

 

帰宅したのち、グーグルマップの写真の機能で調べてみても、出てこない。そもそも、正確にどの道を通ったもわからない。マップの写真は2013年であったので、その頃からあったかも、わからない。

時計は7時を回った頃、諦めて眠る。もやもや、する。遠征は楽しかったが、完全に印象は上書きされてしまった。

もやもや、して、眠る。

 

熊本、玉名〜南関辺りの、山道です。

誰か知ってる人いませんか?