朝は11時。
ここは東京、我らが拠点、荻窪のkichiで目覚める。
本日、kichiは店休日らしいので、朝は少しゆっくりとできる。昨日同様、バナナミルクを頂いたら、店の洗い物と掃除を少し手伝う。何日も使わせてもらっているのだ、当然である。ワックスがけくらいまでならするぞ、私は。
昼過ぎに、店を出る。すっかり馴染んだ荻窪の街を、談笑をしながら歩く。この辺りは天沼というらしい。奇っ怪な名前である。幽遊白書にそんなキャラクターがいたな。面白い。
駅の近くにて、いわゆる「家系ラーメン」を頂く。福岡にはないこの破壊力。悪くないです。しかし、濃いなこれは。
みょーちんが「麺固め、油多め、味濃いめは早死に三原則です」と言っていて、笑う。それ、好き。
昨日のスタジオで機材を預かったら、サポートベース坂梨はここから別行動。忙しそうである。すまない。
機材を引きずりながら、電車に乗って、渋谷へ。
我々の機材は、ギターケース2つとスネアとペダル。日用の着替えや荷物と、バンドの物販である。それをカートに乗せて、ひぃひぃ言いながら引いているのである。
さて、この渋谷という街、坂が、多い。めちゃくちゃ、多い。しかも、道路を渡りたいのに、歩道橋しかない。荷物ゆえに橋を渡れない我々、坂を登りきるしかない。
私は物販なのでまだいいが、ソウイチロウ君はギター2本を引きずっている。手伝おうにも手伝えるものではない。頑張れ、ソウイチロウ君。
息を切らしながら、なんとか渋谷LUSHへ到着する。
宜しく、おね、がい、し、ます。
入り時間より早く入ったが、今日の疲れと連日の疲れで、遊びに行く元気もない。私は作業もあるので、パソコンを開き、携帯から動画を転送する。同時に、昨日のブログも、書く。
坂梨も合流して、リハーサルをしたら、荷物を整える。この辺りで、共演である大野翔平という人間が現れる。鹿児島出身の、グッドシンガーである。上京前は、ちょいちょい対バンをしていた。
そして、同い年である。何度も言うが、同い年が音楽を続けているだけで、私は嬉しい。挨拶と談笑をする。
渋谷の街が暮れてきた頃、公演が始まる。共演を見ながら、スタンバイ。今日この会場には、ノンフィクションの初代ベースである園田智弘という人間も来ている。良いところを、見せねばならない。
さて、出番である。東京3日目、最終日である。坂梨とやるのも今日が最後、急に寂しくなってくる。
SEが鳴って、入場する。口上を述べたら、演奏を開始する。ディストーションを、かき鳴らす。
演奏の途中で、何か「入った」瞬間があった。そこからはもう、無敵状態に、なる。思いのままに、すべてを吐き出し散らす。音を全身に纏っているような感覚。なんでもできそう。
歌う視界には、お客さんは少なかったが、その中でも、この3日間毎日見に来てくれた人、昨日初めて見て、今日も見に来てくれた人、同い年の大野翔平と、創世メンバーである園田智弘がいる。
心は、沸き立つ、湧いて、沸き立つ。
そうか、これがロックンロールなのだな。久しぶりだ、この感覚は。
鳴らしに鳴らして、演奏は終わる。ありがとうございました。
過呼吸みたいになりながら片付けて、共演を見て、公演は終わる。ありがとう、ございました。
坂梨は、また用事があり、ここで別れる。本当に世話になった。
この4日間、短い時間であったが、彼は間違いなく、ノンフィクションのメンバーであった。
ありがとう。また再会を誓う。
打ち上げである。飲み物を飲みながら、ナッツをつまみ、談笑する。私の顔面は、やはりウケが良い。
後半は、大野翔平と、冗談と憎まれ口を叩き合う。やはりなんだか同い年は、心が緩んでしまうよ。とても楽しい。
打ち上げ終わり、挨拶をして、店を出る。
さて、我々はこれより、朝を待たねばならん。早朝の電車に乗り、朝のうちに成田につかねばならんのだ。寝ている時間は、ない。
ノンフィクション3人と、大野翔平、終電を逃したお客さんの計5人は、荷物を引きずって、夜の渋谷へと繰り出す。