ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

12月19日 ジュウ来の街

夜は続いている。

昨日の渋谷LUSHでのライブを終えたノンフィクション3人と大野翔平、終電を逃したお客さん1人は始発を待つべく、夜の渋谷へと繰り出す。

 

渋谷駅、とても、大きい。要塞のようである。

夜を過ごせる店を探すが、結構な量の荷物があるので、私と大野翔平の2人が斥候となり、センター街に侵入する。

目につくのは、煩雑に散るカラオケと、いかにも味の濃そうなラーメン屋、怪しい洋風の飲み屋、それぞれが光を放ち、センター街はとても明るい。

あと、この街には普通に、ネズミが道を行き交っている。我々はとても驚く。ネズミ、可愛いのに、もっと見たいと言うとメンバーから困惑される。可愛いのに。

雑談をしながらスパイ活動を続けるも、24時間営業でなかったり、店が狭くて荷物を置けそうになかったり、完全禁煙だったりして、めぼしいお店はあまりなく、戻る。

 

困っていると近くのカラオケ屋が荷物預かりをやっていたので、とりあえず大きな荷物を預ける。身軽になった我々は、腹の減り具合を見て、ラーメン屋に入る。ここで天一というのが、もうどこでも良い感じがして、良い。他の店もあったが高い。ラーメンに千円出せるか。

こってりをすすりながら、また談笑をする。東京の街の所感を、すでに東京在住の大野翔平と、話し合う。

 

東京の街は、モノが多いのに無駄が少なく、整然すぎて混沌になっている。そんな印象である。街の雑味や、エグ味みたいなのをあまり感じない。とても異常に正常である。もう少し、面白みがあっても良いと思うが。

大野翔平は、東京に来てあまり空を見上げなくなったと言っていた。渋谷駅の大きさにも驚かなくなったという。東京には空がない、という詩があることを、私は後で知った。

 

閉店時間になった、大野翔平はここで別れる。ありがとう、どうせいつか、また会おう。

4人になった我々は、ここで人員を分ける。とにかく休みたいソウイチロウ君はお客さんとカラオケへ、動いておかないと逆にキツい私とみょーちんは、そのままドンキホーテへ潜入する。

目に映るすべてのものにいちゃもんをつけながら、店を回る。こういうのだけでも、十分に楽しい。やはり渋谷のドンキホーテ。品揃えは、結構に凄い。ボードゲームなんかも、結構な量と質であった。

イーブイの鳴き真似を適度に挟みながら、メガシンカならぬメガ退化した2人、店を回る。

 

その後は、コンビニで買ったコーヒーを飲みながら、楽しいものはないかと、渋谷の街を闊歩する。目につくものすべてに文句をつけては、腹から笑う。

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あのハチ公と、写真を撮ったりも、する。

 

時間である。カラオケにソウイチロウを迎えに行ったら、我々は駅へと向かう。一緒だったお客さん、ちゃまくんとはここでお別れである。ありがとう、また、会おう。

 

電車に乗り、成田を目指す。流石に、疲労は困憊である。目を瞑ると多分寝るので、私はゲームなどして、目を覚ましておく。

 

電車を乗り継ぎ、成田に着く。

そうか、もう飛行機に乗るのか。この5日間は、実に高速であった。本当は、2日くらいしかなかったんじゃないか?

チェックインをしたら、一息。少ししたら、手荷物を預けに行く。

手荷物預かり、行きの飛行機ではできた事を帰りは断られて、とても困惑。受付の人もアタリが強く、さらに困惑。疲れた上に寝ていない我々、キレたい気持ちを落ち着かせて、冷静に、冷静に対応する。こういう場は、最後に笑顔で「ありがとう」と言った奴の勝ちである。私はそうやって生きてきた。

 

無事に勝利して、そのまま搭乗口へ。飛行機に、乗る。行きは私だけ席が離れるボッチであったが、帰りはソウイチロウ君がボッチである。だが、道中を楽しむ余裕は、あまりない。念願の窓際に座れたが、留め具が外れたように瞼が落ちていく。

飛行機が、離陸する。さらば東京よ。巨大な街であった。また逢おう。その時はもう少し、わかり合おう。

外の景色を楽しむ間も無く、意識は消える。

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目が覚めたら福岡であった。行きでも思ったが、1時間半で着くのは、あまりに早すぎる。便利ではあるが、これも面白味はないなぁ。

中途半端に寝たので、脳味噌はノイズに塗れたまま、飛行機を降り荷物を受け取る。頭がいたいぞ、くそ。

さぁ、久しぶりだな福岡空港。皆、クタクタである。荷物を引いて、停めてある機材車を目指す。

機材車に荷物を積んだら、ソウイチロウ君、みょーちんとはここで別れる。2人は車を発進させ、北九州を目指す。私は歩いて、地下鉄へ向かう。

 

駅から電車に乗り、5日ぶりの、我が町へ着く。

コンビニでおにぎりを齧りながら、事務所へと帰宅。おつかれ、さまで、ございました。まじ、疲れた。まじ。

さて、ここからはワンマンである。今日であと10日となった。まだいくつも、準備するものがある。動かねばならぬ。

そう思って脳を働かせていると、やはり、眠くなる。当然だ、ロクに眠っていない。とはいえ、やる事もある。30分だけ眠るとしよう。アラームをかけ、眠る。

30分後、目が覚めるも、とても足りぬ。もう30分、もう30分だけ

 

かけようとしたら目が覚めて、3時間が経過していた。あぁ、うん。まぁ、仕方ないだろう。これは仕方ないよ。

とりあえず、ブログを、書く。

 

時間になったので、実家に赴き、夕食と入浴を頂く。久方ぶりの日常である。ありがたさが身に染みる。食べ終わったら、居間にて脱力しながら、ブログを書く。

バナナを頂き、事務所へ戻る。

事務所にて、少しツイッターをしたら、またブログを書く。何せ、今日含めれば3日分書かなければならない。結構な文量ではあるが、仕方がない。親指を高速で動かす。

そして、今3日分のブログを、書き終える所である。やはりね、ライブの日は書けないよ。連日は特に、厳しい。

 

と、そう思っている間にも、もう連日のライブのブログを書く事はないのだと思い直す。

そうか、あと少しで、このブログも終わる。そうか、そうなのか。

これが354件目、あと十数件である。

最後まで、しっかりと、やろう。

 

ワンマンまであと10日である。