ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

波に乗って

 

 

 

 

2020/8/1

 

波に乗って

 

数日前から、積んでいた小説を読んでいるのですが、どうにもこれが、進みが遅い。疲れている訳でもないのに、文字が滑る、めくる手が止まる。正味、面白くない。

いや、正確には、全く面白くない訳ではない。しかし何か、私に合わない。物語の流れもそうだが、文章、リズムが、いわゆる「波長」のようなモノが、私と合わないのである。

何でしょうね、小説はもちろん、漫画や映画、音楽もそうなのですが、良い悪いではなく、合う合わないという基準の方が、大事なように思えます。品質の良い合わないモノより、多少悪くても合うモノの方が、その人にとって「良いモノ」なのです。

波長ってのは文字通り波なので、その上下に揺れる線の中、何処が重なり合うかという話ですね。合うものは何度も重なるし、合わないものは全然重ならない。最小公倍数、みたいな話。

この波長のようなモノが、どうやって決まるのかはわかりません。これまでの人生の体験やら、感動やら、情念やら、ディストーションが絡み合って、今の私の波長があるのだと思います。恐らくですが、私と波長の合う作品の作者たちは、何処かしら似たようなディストーションがあるのでしょう。そういう作品を、私はもっと欲しいし、願わくば私の作品が、そういう方に届けばいいな、とも思っている。

 

とはいえ、波長外のモノを全く楽しめないというのも、寂しいモノです。波長は合わずとも理解はしたいので、私はこの本を、最後まで読もうと思います。

頑張ろう。正直読むのは少し辛いですが、これも歩み寄りです。大事。