2021/8/3
トキハナツ
AIノンフィクションの新曲「トキハナツ」公開しました。
めちゃくちゃ良い曲、できたと思います。原案を思いついた半年前くらいからずっと興奮していました。どうか聞いてください。
夏、私の思う夏は、三秋縋という作家さんの「サマーコンプレックス」という概念に非常に強く共鳴しています。氏の言う「正しい夏」という表現、めちゃくちゃ好きです。
膨大なエネルギーの中で悶える感情を、スッと切り取る事ができたと思います。前から作りたかった夏の曲、やっときちんと作る事ができました。10年前の自分に聞かせてやりたいな。「ボカロみたいなの使うな、自分で歌え」とか言われそう。案ずるな、お前の理解は俺には遠く及ばん。
それはそうと、作業中、何度も思い出した光景があります。小学生の夏休みの時、班で育ててたプチトマトの収穫のため一人学校に行き、静かな校舎と誰もいないグラウンドを眺めながら果実をちぎっていました。突き抜ける青空とそびえる入道雲、うるさいくらいの蝉の声、完全に静止した学校、汗で張り付いたシャツ。私は収穫したトマトを持ってきたビニール袋に入れ、手洗い場の水道で水を飲みました。
特に楽しかった訳でもなく、別段苦しかった訳でもない、喜怒哀楽のどれでもない。しかし何故それを覚えているのかといえば、その時、私は確かに、何かを感じたのでしょう。
あの時の、あの場所の、あの夏。何とかしてあの時間を、もう一度見てみたいもんです。