ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

1月9日

7:30に起床。

うむ、なかなかに良い朝である。

バイトがない日と言うのは、大体良い朝の気もするが。

 

お湯とバナナを血肉とし、今日やることを考える。

 

やることも何も、決まっている。歌詞を書かねばならんのじゃ。

レコーディングが今日やることを考える。

 

やることも何も、決まっている。歌詞を書かねばならんのじゃ。

レコーディングまで2週間を切っている、歌詞を早いとこ仕上げねばならんのじゃ。

適当に目を覚ます儀式をした後、ノートと筆箱をカバンに入れ、冬の朝へ飛び出す。

 

外は寒かった。空は曇りだったが、雪でも降り出しそうな曇りだったので、何となく気分は良い。雪、好き。

白い息を吐き、手袋をはめ、ハンドルを握り、自転車を引き出す。

とりあえずどうするか、適当にぶらぶらこぐ。しかし結構に寒いので、近場のファミリーレストランへと向かう。

そう、その名はジョイフル。我らがジョイフル。リーズナブルな喜びに満ちた土地である。

 

自転車を止めた頃、いい感じに晴れ出していたので、少し散歩をする。眠気を覚ますためというのもある。

ぶらりぶらり、のらりくらり、上がり下り、ふふんふふんと歌詞を曖昧に組み立てながら、住宅街を徘徊する。

どっからどう見ても、不審者。

 

謎に散歩のテンションも上がってきたが、それが目的ではない。ジョイフルへと入る。

ビザ代わりのモーニングセットを頼み、 6人がけのテーブルの占有権を得る。ついでにドリンクバーも得る。緑茶を飲む。うまい。

 

どうにも、我々の周りにはね、面白いものが多すぎるんだよ。面白いだけでは飽きたらず、五感に向かって面白いアピールまでしてくるもんだから、脆弱なるわれわれは抗うことができないのだ。

ので、ファミレス位の面白みがない場所が、作業にはうってつけなのである。

まぁ、結局は結構、携帯を見てしまうが。

これも弱さゆえよ。

 

モーニングのコーンドリアを食べ、コーンドリアはモーニングにふさわしいかどうかを考えながら、作業へと移る。

ノートに曲名を書く、その後その曲名から思いつくものを全部書く、それを丸と線でつなげていく、そうして浮かびあげる。

「結局、私は何が言いたいのか」

脳内を思考が、ぐるぐるぐるぐると徘徊する。

周り、めぐり、止まり、動き出し、携帯を見、めぐり、また考える。

途中から後ろの席に御婦人2人組が入り、けったらけったらしゃべりだすのにも、耐える。

無駄に漬物の知識が増えていく。

 

ただ考えるのは中々に退屈である。

何か、つまめるものがあったほうがいいんじゃないですか? と、誰かが言っている。私ではない。誰かが言っているのだ。決して私ではない。

びくびくしながら財布に相談を持ちかけると、「お前さぁ」みたいな事を言いかけたので、取り下げて業務に戻る。こわいこわい。

 

フライドポテト食いたい欲を、梅昆布茶で満たせるか、やってみて、無理でした。

 

昼になる。

周りの方々が不謹慎にも私に向けてカレーやらグリルやらの匂いを飛ばしてくる。

私がそわそわしていると、財布がこちらを昼になる。

周りの方々が不謹慎にも私に向けてカレーやらグリルやらの匂いを飛ばしてくる。

私がそわそわしていると、財布がこちらをちょっとだけ睨んできたので、これはいかんと店を後にする。こわいこわい。

 

昼、なかなかに良い天気である。

とりあえず、自転車をこぐ。

歌詞の出来栄えは、まずまずであった。

とりあえずの溜飲を下げる。

 

帰宅途中、最近どうにも鼻が詰まっていたことを思い出し、耳鼻科へと足を運ぶ。

軽い鼻風邪でございました。よかったよかった。良くは無いのか?よかったのか?

奥歯を噛み締めながら3000円を払う。

 

実家へと、昼飯をいただきに参上する。

兄が「シンゴジラ」を見たらしく、話ながら昼食を食べる。

話の焦点がゴジラをいちいちガッジィーラと発音する石原さとみのヘイトへと向かうのは定番の流れである。

ご飯と卵を混ぜた物をフライパンで焼き(わが家庭ではこれを「おやき」と呼んでいる)。チーズを添えて、食べる。

最近 アマゾンプライムで見れるようになった「けものフレンズ」を兄にしきりに勧め、事務所へと戻る。

 

さてさて。

やっとこさ歌詞ができたので、プリプロを録る。

押し入れに毛布と掛け布団とマイクをぶち込んだブースにて歌う。

自宅で1人押し入れに向かって絶唱する29歳男性。絵面が、やばい。

歌は変わらずへたっぴな私。

いや、語弊がある。変わってはきている。確実に上達をしている。が、まだまだである。

 

伸びしろだけなら、誰にも負けんぞオラ。

 

 3曲分録り終えて、編集をする。

編集作業はぶっちゃけ面倒だが、やっていると、これがなかなかに楽しい。

 

サボりサボり作業する。

誰か私のサボりを許さないための監査役をしてくれ。できれば美女が良い。無理ならペッパーくんでも良い。何ならアレクサでもいい。

 

なんとなく、終える。

どうにも時間が余ったので、久しぶりに好きなようにギターを弾く、やはり私、ギター好きやなと思う。その後少しだけ本を読む。

 

実家へと再来、飯を食らう。

父に「最近は回らなくなった」と言われ思いつく。そういえば私は昔、誰かと話ながら、テーブルの周りをぐるぐると回っていた。

その時はね、なんとなくそうすると落ち着いた。じっとしながら話を聞くの苦手なんですよ。授業中なんかもしょっちゅう手遊びをしていた。一時期は鉛筆にカッターナイフで彫刻を施すのに熱中していたこともある。

ADHD的なやつがあるのやもしれぬ。

 

しかし現代「ADHDです」なんて言うの憚られません?ADHDの症例なんて、誰でも少なからず当てはまるものと思いません?「です」と言われても「だから何だちゃんとやれ」て言われるのが関の山じゃありません?

実際のところ、私は私の無能と、深く付き合っていくしかないのではないか。

生憎、 29年も付き合っていれば、なんとなく奴の考えはわかる。

うまいことやらねば。

 

事務所に戻り、こうしてブログを書いている。

このあと数枚Tシャツを仕上げ、眠るつもりである。

 

1月も明日で10日。

マジかよ、行き過ぎだぜ1月。

容赦ねぇな1月。

 

○摂取物

ハッピーエンドにさよならを

ソクラテス口説き

二十億光年の孤独