ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

12月16日 福岡民、惑星Kに降り立つ。

朝は8時に、東京、荻窪の地で目覚める。

そう、ここは東京、荻窪である。友人の店に泊めてもらって、今に至る。友人、というか、サポートベースをお願いしている男、坂梨である。本当に、世話になる。

しかしながら、寒い。昨夜は特に冷え込んでいた。床から伝わる冷気はマットタイルを貫通して、私の全身の温度を下げた。それなりに時間は眠れたが、身体は冷えている。

しかしまぁ、泊めてもらっている以上、不満などあろうはずもない。この寒さも全て私の人生の線上にある。受け入れるのみよ。

泊まっていたのは我々だけではない。坂梨と、本日共演の皆様も、ぼちぼちと起き上る。談笑をしながら、朝の準備をする。私は坂梨に、お湯を沸かしてもらい、飲む。

 

少ししたら、店もオープンする。とりあえず我々は、準備をするためコンビニへ向かう。私は途中のパン屋でエビカツサンドを頬張る。

コンビニから帰ってきたら、坂梨にコーヒーをお願いして、飲む。一息をつくも、とても、眠い。やはり眠りは浅かったようである。入り時間は昼過ぎなので、時間はある。椅子に座って眠らせてもらう。

 

少ししたら、ちょっとした坂梨の依頼が発令したので、私がエージェント役を承り、一足先に本日のライブハウス、吉祥寺Planet Kに向かう。

そう、本日は、吉祥寺Planet Kにて、ライブである。

 

歩いて、荻窪駅へ向かう。東京の街を歩いている。駅から少し離れた場所は、東京も福岡も変わらなく見える。

生まれた街より1000キロ以上離れた場所を、私は今歩いている。不思議な感覚である。

電車に乗って、吉祥寺へ。Planet Kに入り挨拶をしたら、荷物を置いて、依頼を遂行するため街へ繰り出す。エージェントイイジ、吉祥寺を行く。

まぁ、なんて事はない、ケーブルを1本買うというだけである。ヨドバシカメラにて購入したら、Planet Kに戻ってミッションコンプリートである。共演者に挨拶をしたら、セット表を書く。

リハーサルをする。今回、エフェクターをまとめているボードは荷物になるので持って来ず、エフェクターは単体でバラバラと持ってきている。一回一回、足元に並べなければならぬ。手間取る。

滞りなく、リハーサル終わり。それぞれ、気を抜く。

 

夕食を喰らいにいく。色々迷った末、うどんにする。はなまるうどんである。

食事。例えば、広島に行って福岡にもあるチェーン店だったり、大阪に行ってコンビニ飯だったりしたら、なんとなく落胆はする。

しかし、もう東京になってしまっては、なんか結構、どうでもよくなってくる。思慮も遠慮もなく、うどんをすする。

その後、百均にて、買い出し。昨夜が死ぬほど寒かったのもあり、防寒の器具を買う。エフェクター運搬用のスノコと、タオル、ティッシュなどの日用品も買っておく。

戻る。顔合わせをしたら、共演の方と雑談をしたりして、時を過ごす。本日の出演者は、主催たる坂梨の思惑のもと、すべて福岡出身のアーティストである。東京感がしなくて笑ってしまう。

一瞬だけ、とある入金のため、ゆうちょATMを探して、街を徘徊をする。

 

開場、そして開演する。

我々の出番は4番目。準備をしながら、時間を進める。

時間である、スタンバイをして、待機をする。SEが鳴ったら、入場。口上を述べて、音を鳴らす。さぁ、ライブである。

回る、感覚がある。ひと掻き、ひと掻きで音を回し、感情を巻き込んで渦となる。やがてそれは手を離れ、恒久的に回り続ける。高揚、上昇、回転、無限である。

無限を感じて、終わる。お客さんの反応も上々。とても、ありがたい。ありがとう、ございました。

 

片付けて、共演者を見て、ライブは終わる。

物販、CDが、めちゃくちゃ売れる。めちゃくちゃありがたい。ありがとうございます。

その後は打ち上げ。色んな人と、話す。ここまで来ても、まだ東京感はあまりない。なんとなく、可笑しくなる。

その後、拠点たる坂梨の城、荻窪のkichiへ向かい、また打ち上げが始まる。坂梨が作ってくれた料理と、適当に買ってきたお菓子群と、缶ビールとジュース。まさか東京に来て、福岡の面々と宅飲みをするとは思わなかった。最高である。

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案の定というか、音楽の話はほとんどない。福岡の話、辞めていったバンドの話、ミニ四駆の話をしながら、だんだんと力尽き、そろそろと皆で寝る準備を始める。修学旅行みたいだな、なんとなく楽しくなりながら、眠る。本日は防寒を揃えたので、昨日よりは寒さはマシである。うっすらと、目を閉じる。