ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

11月9日 強行軍の内政事情

時は24時、日付が変わるその瞬間に、ノンフィクションは小倉FUSEでの練習を始める。

サポートBa.の岡田くん(SOUSEMOMENT)と共に、次のライブのセットリストを回していく。次のライブというか、もう明日の、いや、むしろ日付変わったので今日のライブである。

そう、本日11月9日、広島JIMOcafeにて、ライブである。

県外遠征のライブの練習を当日深夜にやるというのは、なかなかに愚行。ライブの入りは昼間なので、少し曲間などの確認をしたら、もうこれから出発をする。これもまた、なかなかに、愚行。

コンビニで物資を整えたら、荷物をまとめ、車を出す。深夜の2時30分、広島への行脚を開始する。

 

相も変わらず馬鹿話をしながら、関門トンネルを通り2号線を上る。深夜の運転は、広島までくらいなら、高速を使っても1時間くらいしか変わらないので、下道で行く。

運転はソウイチロウ君である。ソウイチロウ君は仕事後そのまま練習からの運転である。キツイだろうが、そもそも練習日程を組んだのもソウイチロウ君なので、ある程度は身から出ている。

たぶん、途中で運転も変わるので、私はそのうちに、眠る。

 

岩国少し前くらいのコンビニで目覚めて運転を代わる。コーヒーを胃に入れたら、助手席にみょーちんを添えて、トドメの運転に入る。

広島、少し郊外のネットカフェに入る。岡田君とみょーちんを快活クラブに入部させたら、我々は駐車場、車の中で眠る。

車内は、とんでもなく、寒い。毛布を忘れたことを後悔する。

 

そして、朝は12時に起床。起き抜けがもう、寒い。出てきたサポート2人と合流をしたら、まずコンビニへ。皆で朝食か昼食かわからんもんをたべる。私は身体の冷えを治すため、かき玉うどんをすする。神がかって、うまい。

ゴミを片したら、またソウイチロウ君運転の元、出発する。20分ほど道を間違えて逆走している事に気がついたら、Uターンをして、再び広島の街を目指す。「少し遅れます」と連絡をする。

 

そして、なんとかギリギリで、広島JIMOcafeへと、着く。挨拶をして、荷物を搬入する。JIMOcafeは建物の4階。かつ、エレベーターはない。つまり我々は、開演前に、死ぬ。

目眩と共に搬入を終えたら、ほどなくして開演する。本日は昼からのイベントである。共演の深居優治が財布をなくして動けないらしく、ソウイチロウ君は迎えに行く。私は演者を観ながら、時折控え室で呼吸を整える。

 

イベントは進行する。もう少しで我々の番である。

本日は、ほとんど生音の、スタジオライブに近い形のライブである。共演を見る限り、やはりドラムの音量がデカくボーカルが抜けにくい。楽器の音量、やり方について、控え室にてメンバーと話し合う。

ただまぁ、そこまで器用に立ち回れるバンドではないので、テンションが上がれば結局は「ガー」なる。あまり意味はないかもしれない。

 

出番である。

本日はSEなしで、そのまま打ち鳴らす。さぁ、ライブが始まる。

やはり普段のライブと勝手は違うが、何も通さない生音の響きは、純度が高くとてもアガる。精神的にも、洗練された後である。逆か、洗練されてないから、精神がアガるのだ。

最終的には、精神と共にアダプター、コンセントもぶっ飛ばし、ライブを終える。最後は、どちらのギターも鳴っていなかったが、勢いは死ななかったので、まぁ良し。

 

控え室で汗を拭きながら、所感を話す。

エフェクターの踏み替えで、少し曲の入りが遅くなった件について、キチンといい音を鳴らしたいソウイチロウ君と、それでライブのテンポが悪くなっては駄目な私で、少し対立する。

こういう時の意見の言い方が、私はあまり上手くはない。なんとなく、モヤったまま、終わる。

 

その後、共演を見たり、コンビニでコーヒーを飲んだりして、イベントは終わる。

昼から始まるイベントは楽しいが、気の抜きどころがないので、少し疲れる。深夜強行のせいでもあるが、最後の方は、意識が少しふらついていた。

終わったら打ち上げにて、ガパオライスとお好み焼きに舌鼓したら、車を出す。ソウイチロウ君は体調不良、みょーちんは明日もライブのため、眠る。私が運転かと思ったら、岡田くんが買って出てくれたので、甘えることにする。

2号線の土を削りながら、色々と話す。ノンフィクションにはベースで手伝ってもらっているが、彼もソングライターにつき、曲にまつわる色々を、話す。「曲想はバイトの時に浮かびやすい」という話から「メロディとか思いついたら、バックヤード行って携帯に録音するよね」という話で、ひとしきり笑う。

そのまま、岡田くんの住まう下関まで約4時間、ずっと話し込む。不思議とお互い、疲れは感じなかった。

 

下関で、岡田君と別れる。

疲れはそれほどでもないが、明日にそなえて私も少し眠りたい。しかしソウイチロウ君は爆睡、下手に起こすと明日もライブのみょーちんを起こしかねないので、仕方なくエンジンを回す。

 

みょーちんを送り届け、ソウイチロウ君宅に着く。ソウイチロウ君を起こし、部屋で眠る。

眠る前に、最近、FUSEの仕事ばかりでバンドが疎かになってないかい?と尋ねる。返ってくるのは、無言とため息。これは彼が打ちひしがれているときの様子である。私もあまり、強くは言えない。

そのまま、眠る。