ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

雨世行路

昼、ロクに動けなかった午前中をリセットすべく、散歩がてら、贔屓のラーメン屋へ。

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幸福で身体をひたひたにしたら、お礼を告げて外へ。小雨が降っていた、気にせず歩き出す。

 

まだ少し腹が足りない私は、コンビニで菓子パンとコーヒーを買う。川沿いに持っていき、ベンチに座って食べる。小雨は降っているが、このくらいは気にならない。私の心の方がどしゃ降りだよ、なんて思ってみる。別に落ち込んでる訳じゃないが。

糖分とカフェインを入れながら、しばらく呆けて、考え事をする。自身のやりたい事とできる事、できない事、したくない事、それらは意中でゴリゴリと削り合い、塵が思想に降りかかる。少しだけ、むせる。

風景を見ると、川が雨で跳ねている。鳥のみなさんは相関せず、クチバシを潜らせている。そのうち、数羽がスゥーと飛んでいく。

何回見ても、凄いよなぁ、飛べるの。人間が、ちょっと走り出すくらいの感覚で、奴等は宙を舞う。どれだけの建造物も、奴等には足場に過ぎない。

いいなぁ、あの軽さ。あの自由さ。自転車いらずだ。私もちょっくら飛んで、近所の山の神社でも行きたいもんだ、気持ちいいんだろうな。

 

雨が強くなってきた。ぬるくなったコーヒーを飲み干したら、ビニールにまとめたゴミをポケットに入れ、歩き出す。一歩を踏み出すたびに、60数キロの重力を感じる。縛られてるよなぁ、実際。なんでもできる、はずなんだがなぁ、我々は。