ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

「ドラえもん 雲の王国」※ネタバレ感想

2020/4/21

 

 

 

 

 

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ドラえもん 雲の王国」見てました。

子供の頃、テレビでやってたのを録画した奴、兄と無限に見ておりました。たぶん20は見たんじゃないかな。

しかし内容は結構忘れており、しかも環境問題に大分突っ込んだ内容をしていたため、新鮮な気持ちで楽しむ事ができました。

子供の頃は単純に笑っていた、のび太くんの感性にビビる。「お邪魔します」という友人に続き「ママは邪魔しないでね」と加えるセンス。西遊記ジャックと豆の木を「作り話だよ」というドラえもんに「じゃあ昔の人は嘘つきだったの?」と純粋に尋ねる心。まさにセンスオブワンダー。とても良い。

何が凄いって、この辺の台詞は「子供らしさ」に溢れてるんだけど、その台詞を書いたのは紛れもない大人という事実。凄いよな、ちゃんと、子供らしいもん。

また、ドラえもんの「ありもしない天国を探すより、自分で作ったらいいよ」という台詞が、また凄い。含蓄が溢れそう。どんな映画にも使えそうだな、これは。

 

もちろん、子供向けの映画なので色んな所はガバガバなんですが、それに突っ込むのは野暮ってもんよ。そもそも、ドラえもんに間違いなどない。大体は正義。そう教育されてきたんだ俺たちは。

ただ密猟者4人組が「これでたっぷり密猟できるぜ」みたいな事を言っていて、なんか笑ってしまった。たっぷり密猟て。

ところで中盤、のび太くんがタケコプターでなく、羽衣型の秘密道具を身につけて空を飛ぶのです。子供の頃は「タケコプターあればよくね?」と思っていたけど、多分これマイナーチェンジ版なんだろうなぁ。もしくは別会社の奴。アイフォンとアンドロイドみたいな。

「それ多分、ドラえもん中古屋とかで見つけて安かったから買っといたんじゃない?」と兄は言っていた。なるほど、面白い。

 

終盤、強大な兵器を持つ相手に対し「交渉をするため」に強大な兵器を用意するドラえもん。これって完全に、アレですよな。風刺が効いてる。

最終的にそれが、身勝手な大人達に悪用されるという流れまである。いやあもう、完全にね。もうね。

 

最後には、自然を大事にしようね、という話になり、ややカメラ目線のドラえもんが「約束だよ」と言って映画は終わる。なんと露骨な情操教育、少し笑ってしまう。

武田鉄矢の歌が流れながらエンディング。少し湿った歌謡曲が、合ってんだか合ってないんだかわからん。

しかし、良い映画であった。もちろん子供向けであるし、思い出補正も存分にあるが、良い映画であると私は思う。

子供達が思いつきを現実にし、自分たちだけの理想郷を作り上げ、最後には大人の都合で壊れゆくという流れは、ジュブナイルとして良くできている。作り手から「相手は子供だから」という「舐め」を感じないので「子供騙し」ではなく「子供向け」になっている。大人も楽しいとは言わんが、舐めてかかった大人を頷かせるくらいのモノではある。面白かった。

 

ラストシーンのドラえもんとの約束を、今まで覚えていた訳ではない。しかし私は、それなりに真面目に、自然を大事にしてきた方だとは思う。だからドラえもん、現代の日本に、どうか力を貸してはくれんだろうか?

今度の約束は、忘れないから。