ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

我が迷走

 

 

 

 

 

2020/6/30

 

我が迷走

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ライブでした。

約3ヶ月ぶりです。弾き狂い、暴れて、叫んでいました。めっちゃ楽しかった。関係者各位、ありがとうございます。

入り時間から何故かソワソワして、リハになればデカいギターの音にアガり、ドラムの生音をうるさく思いながら、足元から返る自分の声と共鳴しておりました。

ライブが始まり、1バンド目のパストリークスが演奏を始めると、強い感慨が湧き起こりました。轟音で肌が震え、照明が目を遮り、今日がライブの日なのだと、肉感的に理解しました。

2バンド目のマーシーウッドペッカーを聴きながら、楽屋で柔軟。ライブの流れを考えてフローする脳。喉を鳴らすリップロール。空のギターだけが響く沈黙の空間。これも久しぶり。

自分達の番。ステージをセットして、一度ハケる。合図を送ると、我々の入場SEが鳴る。

SEが鳴った瞬間、世界が変わった。

脳の処理機構が切り替わるのがわかる。根を緊張で震わせながら、それでも全身がみなぎるのがわかる。入場すると、ソーシャルなディスタンスのお客さん達が、半透明の膜の向こうに居る。口上を述べ、演奏を、始める。瞬間を、破裂させる。

あとは、いつも通り。叫び散らして、喉を枯らして、暴れて回って、終わりです。

やぁ、なんて最高の、いつも通りであるか。

 

「みんなのために」と、完全に休止させるでもなく、「そんなの知るか」と、活動を再開するもなく、実に中途半端に、我々は動いております。

どちらを選ぶにしろ、迷いがないならそれでいいと思います。ただ一瞬でも迷ってしまったら、それをなかった事にはできません。嘘をつくことはできません。

臆病な我々は、迷ってしまいました。迷いながら、ライブをしておりました。

ただ、それはそれで、そういう形です。我々は迷いながら動きます。

何を選んでも、正解も不正解もないこんなご時世です。だからせめて、精一杯悩みながら、動いていこうと思います。

 

ありがとう、ございました。久々のライブ、本当にいい日になりました。楽しかったです。

迷いながらも、最高の一日でした。