2020/7/19
機構紀行
昨日とは打って変わって夏らしい日、セミも鳴きしきる中、レコーディングをしておりました。
声を録っているのでね。蝉の声もクーラーの音も、扇風機さえかける事はできんのです。窓を閉め切って、汗をダラダラ流しながら、吸音のため毛布を敷き詰めた押し入れに叫んでおりました。
録り終えた瞬間扇風機をつけて確認、また録り直し、1時間くらいはこの繰り返しです。さすがに、発汗が凄まじい。しかしその甲斐もあって、良いものが録れたと思います。
こうやって、歌を録るのも何回目だろうか。毎回レコーディングになるたびに、マイクの前で発声した事が、想像以上の如実さで録音されているのに驚く。息を吸う音はもちろん、微妙な息遣い、わずかな歌喉の変化、自分でも気付いてないミスまで、そっくりそのまま記録されている。わずかなミスはね、ごまかしてくれてもいいのよ、2020年の技術よ。
そもそも、音を記録して、再現性を持たせるっていうのも、考えてみれば凄いことよ。原理としては糸電話の極大延長線上なので、シンプルなのがまた凄い。
遊びが過ぎるなぁ、人類。最高だよあんたら。
原理は糸電話、その間のほとんどの機構を知らないままに、マイクは私の生み出す空気の流れを何十ビットに変換して、蓄音して、調整やがて光に化けて、地球を網羅するネット回線のその流れに乗って貴方の元へ届きます。
六畳間の汗と情念がお部屋のスピーカーを揺らすまで、もう少々、お待ち下さいな。