2020/8/8
想像して思い返す青春というのは爽やかなモノであるが。よくよく思い返す実際の青春というものに爽やかさは少なく、もっと刺々しくて、もっと痛々しくて、もっと生々しいものだ。そしてそれらは爆笑とともに、大雨が降ったように洗い流されていく。考えてみればいつもびしょ濡れみたいな気分だった。少なくとも、今のように乾いてはいなかった。
このアルバムにはそれがよく表されていると思う。
あの頃の音楽を聴きながら、やはりあの頃の音楽は最高だなと思いながら、ひょっとしたら最高なのはあの頃の自分だったのかもしれない、とも思った。
散歩をしながら聴いていたら、よく晴れてるのに雨が降ってきて、セミが鳴いていて、音楽は鳴っていて、少しだけ、当時の気持ちを思い出せた気がした。