ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

ドントシンクフィール

 

 

 

 

2020/10/27

 

ドントシンクフィール

 

「FEEL」って言葉、いいですよね、フィール。感じる、という意味ですね。ドント シンク フィールで「考えるな、感じろ」っていうのは有名な台詞です。

私はこの、フィールっていう語感が好きでですね。「フィール」って、めっちゃ感じてる感じがしません?「感じる」っていうと、鋭敏な知覚機能、という感じなのですが、「フィール」っていうと、とても自然体で、無心のままに五感を使っている感じがするのです。「感じ」って何回行った?でもそういう感じなのです。

ともすると、我々は結構、感覚を忘れがちになります。日々の考えること、光の速さで世界に繋がり、弾丸より早い連絡が飛び交い、怒涛のエンタメが我々を呑み込みます。令和の時代の最先端は、風ひとつまともに感じさせちゃくれません。

それでもふと、意識をしてみると、頬に当たる風を感じます。外では車に混じって虫の声が聞こえます。大地となったコンクリートを踏む感触は、そのまま地球と繋がっています。

心臓の鼓動を感じます。意識しなくても呼吸はしています。少し前に食べた食事はリアルタイムで吸収されて、全身の臓器に血流が巡り、唾液は分泌され、毛や爪は少しずつ伸び、我々は確かにここで生きているのです。

そういうのを感じる事は、とても大事な事だと思います。「何故?」と聞かれりゃ閉口しますし、感じなくても生きていけますが、とても大事な事だと思うのです。音楽や本がなくても生きていけますが、音楽や本は人類には大事です。それと似たようなものを感じます。

たまにで良いので、フィールしてみましょう。散歩とかオススメです。音楽は聞かず、何も考えず、全身の感覚を、なんとなくフィールしてみましょう。風は吹いてますし、心臓は鳴ってますし、呼吸は流れています。なんとなくでよいのです。

良いですよ。何に良いのかはわかりませんが、それはとても、良いです。