ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

ムカシナジミ

 

 

 

 

 

 

2020/6/22

 

ムカシナジミ

 

映画を観ていました。

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「血を吸う人形」、なんかスゲーやつです。

こういうの好きなんですよ、カルト、じゃないんですが、なんか「存在が異端」みたいなやつ。そういうものは大体、謎のパワーに満ち満ちている。だから面白い、という訳ではないのが残念だけれど。

 

1970年なので、50年前の映画ですね。半世紀前、と言うと、また凄くなる。

あらすじ見てもらえればわかるのですが、まぁなんか、ありがちというか、昔ながらのホラーなのですがね。昔すぎて、逆に新しく感じてしまった。

当然というか、そんなに怖くはないです。ただ「ホラー映画」としての文化を、存分に楽しむことはできます。キャンプのバーベキューみたいなもんです。味自体ではなく、空気をね。

ちなみに、主演は若かりし中尾彬であります。

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普通に二枚目でした。この人ホントに俳優やったんや。マフラーも捻ってないからわからなかった。

 

この時代の映画、フィルムの焼きついたような色合いとか、聞き取りづらい音質とか、結構好きなんですよね。映画というよりも、「作劇」という感じがする。発色する異空間。確かな熱を感じる。

そもそも我々は現実を見たくて映画を観てる訳ではないので、映像がリアルすぎると逆に冷めてしまう、というのはあると思います。もちろん、昨今の映画がダメという訳ではないのですが。

しかし、しかしね、それでも私は現代を生きる人間ですので、感性はそれなりに現代にチューニングされているのです。昔の映画は好きなのですが、やはりその内容は昔の人向けにチューニングしてあるので、どうにも展開がありきたりであったり、現代のエンタメ感とは食い違っているので、「これは面白い」とハマるものはあまりなかったりします。

この辺が、なかなかむず痒く思っているのです。なんかねぇかな。映像は、凄く、馴染むのですが。

 

好き嫌いとは別にして、馴染む。これはとても大事なことです。「肌に合う」ってのはいい表現ですね。脳ではなく、肌なんですよ。映画も。

結局みんな、探しているものは「万人に最高に面白いもの」ではなく「自分に最高に馴染むもの」なんですよね。それはきっと、遠からず自分に似た人間が作っているのだと思います。

 

「あの時あれを鑑賞してなかったら、別の人生だったかもしれない」

そう思える芸術作品が今までに沢山あるので、これからも沢山あるはずです。探さなければ。それは、私のモノでもあるはずなのだ。