ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

もしもピアノが弾けたならねぇ

 

 

 

 

2021/8/24

 

もしもピアノが弾けたならねぇ

 

蜜蜂と遠雷」観ました。映画です。

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原作の小説は何年か前に読みました。映画も気になってはいたのですが、2年越しの視聴となりました。これもまた、そういう縁。

映画の内容は、掘り下げが足りなかったり、演出がよくわからなかったりでもう一つ足りなかったですが、劇中のピアノシーンは凄かったです。まぁ、ピアノコンクールの映画なのでね、そこが駄目だったらどうしようもないのだけれど。

ピアノは良いですよな。とても優雅で、綺麗で、孤独で、豊潤で。ひとりオーケストラなんて言われてるほど、楽器として完成している。完成、と言うよりもピアノの演奏を観ていると、ピアノそれ自体が舞台になって演者が踊っているような感覚を覚えます。割と本当に、楽曲界の絶対王者だと思ってます。

私はピアノが弾けなくてね。何度か挑戦したんですが、どうにもなりませんでした。ノンフィクションにピアノを入れたいと思った事はないですが、ピアノが入ってるバンドに憧れはあります。AIノンフィクションで使ったりしてるのですが、頭ギターロックになってしまった私には、使い所を考えるのが中々難しい。

ピアノの音は、他の楽器とあまり混ざらないのが面白いと思っています。馴染ませる事ができても、あまり混ざりはしない。どうしても音の粒が立つ。それゆえに「孤高」みたいな存在になっていて、それが凄まじく格好が良い。

混ざらない、というか歪んだギターがよく混ざるのかもしれません。混ざりながら、爆音で前に押し寄せられるのは、歪んだギターだけだと思います。これもまた、凄まじく、良い。

いずれもう少し鍵盤を研究して、AIノンフィクション辺りでしっかりと披露できたら良いな、と思っております。ピアノが弾けずとも、マウスクリックでピアノを入れられる素晴らしい時代。情緒はまるでないですが、だってピアノが弾けないのだからしょうがない。そりゃ弾けたらいいですが、もう3回くらい挫折してるのでね。私にはアレは無理だ。いやもちろん不可能ではない。興味という熱もあるけれど、それを燃やし続ける時間や燃料が、残念ながら足りない。私はギターと歌で頑張ります。

 

しかし、あのピアノを弾く、演奏者の姿。観客なんていないかのように一対一で楽器に向かい合って、鬼気迫る表情で十指を狂乱させ、最後の一音を鳴らした後のあの静寂。真剣な斬り合いでも終えたかのようなあの姿。アレには、あの格好良さには、悔しさすら覚えてしまう。永遠の憧れであります。