ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

カイホウハイ

 

 

 

 

2021/8/25

 

カイホウハイ

 

町を徘徊しておりました。

ここ2週間くらい繰り広げられた悪天候のせいか、外を徘徊するのが随分久しぶりに思えます。川べりを歩き、自転車に乗ってラーメンを食べに行き、ちらりと母校の姿を見に行ったりしておりました。帰り道、とても静かな地帯があったので、虫の声を聞きながら自転車を押して歩いたりしました。湿気まじりのぬるい風が吹き、近くの団地を薄紅が包み、駿馬のような形の雲が夕暮れを駆けておりました。とても、良い。

部屋に籠るのも好きなんですが、やはり籠りすぎは良くない。意識して外を歩くのが久々になると、視界と認識がどうにも乖離しているような、五感が詰まったような感覚になる時があります。寝不足で外に出た時のような、あの感覚。これはこれで面白くはあるのですが、あまり良いモノではないでしょうな。

少し歩いて、普通に呼吸をして、踏む土の感触を確かめたり、座ったベンチの木の具合を手で感じたりしていくうちに、段々と繋がっていくのを感じます。心臓の鼓動や肺の膨らみも感じてきます。これがなんとなく、人間の本来あるべき感覚なのだろうと思っております。

わかってはいるけれど、中々気づけないもんです。液晶の世界に生活の半分くらいを移してしまった我々は、普通に暮らすだけでは頬に吹く風、歩く足裏の感触さえ見落としたりします。

汗腺が詰まる事で体調が悪くなるように、五感が詰まっているのも精神には良くないです。たまには軽く徘徊でもして、きちんと開いておきましょう。

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もう夜には虫が鳴いていますな。コロコロと鳴くこいつらは、鈴虫なのか、コロオギなのか、他の何かなのか。私には良くわからんですが、とても情緒に溢れていて、良いです。