ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

夏の追悼

 

 

 

 

2021/8/30

 

夏の追悼

 

夏が終わってしまう。

まだもう少し暑さは続くはずなのに、8月が終わるとともに夏も終わる気がするのはどうしてでしょうか。やはり学生時代、夏休みが31日に終わったからでしょうか。だとすると、最近の学校はもう27日とかに学校が始まるらしいですが、それが当たり前になった人たちの夏はいつ区切られるのでしょうか。

夏の思い出が、また今年もほとんどありません。そりゃ毎年ほとんどないですし、アウトドアも似合わん人間なのですが、昨今の状況では、作ろうと思っても作れません。インドア人間ですが、祭りとかは好きなのでね。行きたかったなぁ祭り。

あぁ、アレがあったな。AIノンフィクションの動画の撮影のために、舗装された山道をひたすらに歩いた日。アレはまさしく夏の思い出です。暴力的な緑と、圧倒的な蝉時雨。足音と呼吸と垂れる汗。アレは本当に良かった。撮影という目的でしたが、あの日は本当に愉しかった。

そろそろまともな夏、まともな日々を送りたい。しかしまともな日々になるとバンドが忙しくなるので、余暇は減ってしまうというジレンマ。自由になるべきは時間か、手段か。それは問題。

しかしやはり、祭りには行きたかったな。バカでかい祭りも悪くないんですが、町内でやってるような小さいやつ。薄暗れに灯る光と遊び回る子供、酒を飲むオッサンといちゃつくカップル。縁石にでも座ってたこ焼きを食べながら、私はそういう風景をじっと眺めていたい。

 

思い出をいくつも取りこぼしたまま、季節はいつも通り進む。ゆるやかに、溶けるように進んでいく。もう少ししっかり、ゆっくり、感じられる世の中になりますように。

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