ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

死体のかたわらで

 

 

 

 

 

2022/10/7

死体のかたわらで

最後まで録音をした音源を、1曲ボツにする判断を下す。とても辛いです。これまでの苦労はなんだったのか。

理由は単純に、クオリティです。AIノンフィクションの曲なんですが、きりたん嬢に歌ってもらうには複雑すぎました。嬢はもうぷんぷんしてます。何度も歌わせてしまってごめんよ。世に出せなくて、さらにごめんよ。

一番手がかかった曲でした。構成も何度も考え直しましたし、レコーディングも何度もやり直しました。歌詞もめちゃくちゃ時間がかかりました、しかしそれでも、思った通りのモノにならなかったので、ボツです。泣いて馬謖を切る諸葛亮の気持ち、わかります。こいつぁ心にきますぜ。

まぁ考えてみれば、本当に、真に最高の曲ってのは、何度もやり直したり、考え直したりしないもんです。料理なんかと一緒で、手をつければつけるほど質は下がっていきます。もちろん、一発でできる最高な曲なんて、そうそうできるもんじゃないのですが。

私が世に出すモノな以上、私の納得のいくモノでなければいかんのです。別にこれで金を取るわけじゃないのですが、それでもなんでもいいわけではないです。焦げてしまった料理みたいなもんです。知ってる人は笑って食べてくれるかもしれませんが、知らない人が見たら私はただ料理が下手なヤツ、かつ焦げてるモノを料理として世に出している狂った人間だと認識されるかもしれません。そればっかりはね、あってはならんのです。

切り落とされた死体に手を合わせて、またこんな事が起きないよう、気をつけてまた曲を作ります。過ちは二度と繰り返してはならない。それもまたノンフィクションなのです。