ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

曇天紀行

2024/1/21

朝、というかもう昼に起きると、寝る前にシャワーを浴びたせいかとてつもない寝癖になっていました。しかし鏡を見るとその姿がどうも金田一耕助のようであり、少しだけウキウキ。頭をボサボサと掻き毟りながらお湯を飲んでいました。

曜は日曜、外は曇天、仕事は山積み、私はイイジ。何をやるかと悩みましたが、昼食がてらお散歩へと歩を進めました。そういえば最近、しっかり歩いたタイミングはあまりなかったです。雑務の拒否と昼食の機会、かつ運動不足の解消という名目は、気怠げな朝の私を動かすにはぴったりのものです。そういえば、少し歩いた場所にある、ホットサンドの店というのが気になっていました。コートを羽織り、ボロボロの靴を履き、まだ少し跳ねている髪を気にしながら町へと繰り出しました。

赤い看板が素敵なホットサンドの店は凄まじいまでにお休みでしたが、なんとなく機嫌の良い今日の私はすべてを赦します。寛大さに感謝せよ。結局は近場でラーメンを、どうせならと水曜日が定休の店に行き、替え玉までキメました。これを来週の「水曜日はラーメン」に持ってくるかはまだ悩んでいます。流石に遠すぎますが、水曜定休の店なんで、ワンチャンあるんじゃないでしょうか。どうでもいいんですが。

また散歩の続行です。満ちた腹での散歩ってのはまた格別です。コンクリートを踏む一歩一歩が力強くなる気がします。私と地面とを仲介するニューバランスはかなりのオールドですが、それでも大地の感覚をしっかりと伝えてくれます。空気は少し暖かく、コートが邪魔に感じました。春の近さを思わせぶるような日です。実際はもうちょい先なんでしょうが。

町を適当に徘徊していると、自然と鼻歌が口に出ます。好きなバンドの曲だったり、やっていたゲームのメロディだったり、頭に思い浮かぶままふんふんと鼻腔を鳴らしながら、後ろから追い抜く人を怪訝な顔にさせていました。機嫌が悪くないのもそうなのですが、私は何もしていない時、何か適当に歌ってしまうのです。これは私の昔からのクセですね。なんだかんだ、やはり音楽は好きなのかもしれません。歌うのは、いつでも楽しいもんです。

空は曇天、なれど雨は降らないようです。そのまま私は本屋を冷やかしたり、スーパーを脅かしたりしていました。何か良い事があったわけでもなく、悪い事があったわけでもない、普通の日です。薄い灰色の1/21、しかしこういう日こそ、遥かに生々しい「生きている」という感覚があるのは、私だけでしょうか。