ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

6月24日 ゆれる五感

朝は6:45に起床。

また、まただよ、また夜を更かして、睡眠時間が短い。頭も身体も、精神も鈍重である。何をやっているのだよ。もはやバイトを変えた方がいい。変えようかな。ほんと。

 

何を言っても、今はもう眠れない。嗚咽と共布団を剥ぐ。野生動物のがもうちょい静かかもしれない。だが私はコップを使える。私の勝ち。水を飲んで、バナナを喰らい、一息をつく。

して、本日も、バイトである。

着替えて、荷物を背負い、家を出る。行きたくはないが、それが摂理である。自転車を起動させ、社会の荒波に漕ぎ出す。

 

外は快晴、爽やかなる熱線、これはもう初夏と言っていいだろう。気は重いが、風は心地よい。道中の公園で、蓮の花が開いていた。すごい景色だよアレは。夏の朝の大濠公園、見て損はないぞてめぇら。

新曲の構成を、鼻歌で辿りながら、漕ぐ。

 

駐輪場に止め、バイト先へ。着替えて、タイムカードを切る。

本日は新人の初出勤であった。女子高生だという。12歳下である。なんという事でしょう。もうすぐ30になる私と同僚は、ひどくショックを受ける。休憩に入りたいくらい、ある。

同僚が新人に教育をしながら、私はいつも通り、入ってくるお客さんを捌いて三枚に下ろし、侵入ってくる外来種を裁いて断罪を下す。

その他諸々店を整え、時を過ごす。

 

数時間後、解放される。忙しさはまぁまぁ、良くもなく悪くもない。良い職場に行きたいもんだ。

仕事が暇な時は時間の進みが遅い、適度に忙しいとスピーディである。しかし、クッッソ忙しい時も遅くなるのはどういう了見なんだ。そんな時こそ一瞬で過ぎるべきだろう。間違っている。私は間違っているが、世界はもっと間違っている。

タイムカードを切って、店を後にする。今日も今日とて、作業をせねばならぬ。

 

しかし、一瞬、一瞬だけ、ボードゲーム屋に寄る。中古品を確認、食指は動かなかったので、去る。もう大体、店のラインナップは把握してしまった。そろそろボードゲーム中級者と言ってもいいかもしれない。

15分ほど見たら、退店。また自転車を漕いで、事務所へと戻る。

 

しかしいい天気である。いい天気の中、昼過ぎ、仕事終わり、良気分、いい勢いなので、大濠公園に赴く。ここは公園というか、真ん中にバカでかい湖があり、その周りがぐるり舗装されているタイプの場所である。予想通り、予想を絶する爽やかさであった。青々とした空と湖、素晴らしい。

勢いのまま、貸しボートに乗る。無論、1人である。30分で600円、発券機で券を買い、係員の誘導に従う。列の前にいた家族連れが、1人で並ぶ私を怪訝な目で見ていた。失礼な。ボートくらい、漕げるさ。

 

ボートに乗ると、ゆらん、と揺れる。そのまま座り、手漕ぎボードの2本のオールを手に取る。木の感触を握り込み、それを回して、水を掻く。前に、進む。

漕ぐたびに、船の軋み、水の音、オールの挙動が聞こえる。ボートを漕いだのは別に初めてではないが、前に何で漕いだかはもう思い出せない。とにかく久しぶりの感覚、水を掻く感触を、楽しむ。

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流れる無人ヒルボートの突進を回避するスペクタクルを経て、湖の真ん中くらいに来る。オールを置き、仰向けになって、五感を解放する。太陽が眩しい。そのまま空を見るなり、水を見るなり、水に反射する光を見るなり。初夏の涼しい風の感触、流れに合わせて揺れる船、その裏からちゃぷんと水の音、時折横切る飛行機とその音、目を閉じれば、真に一人。ゆらゆらと、ゆれる。

しばらくボーッとしたら、時間になったので、戻る。少し遠くまで来たので、結構に、漕ぐ。楽しい、楽しいが、普段使わない筋肉を使っている。心配になるのは、やはり年かもしれる。漕いで漕いで、桟橋へ、係員の人に挨拶して、公園を出る。

心地よい時間であった。体力は使ったが、精神は回復した。満足げな表情で、自転車を漕ぎだす。

 

そこから20分ほど漕いで、途中スーパーで買い物もして、事務所へ着く。買ったモノを冷蔵庫に入れ、湯を沸かしコーヒーを淹れる。飲みながら息を吐き、一区切りついたら、仕事である。

「ノンフィクションの映像 11」そろそろトドメを刺してやろうか。最終局面、字幕を入れ始める。

喋っている言葉を聞きながら、打ち込んで、カットしていく。テレビで何気なしに見る、バラエティ番組も、膨大なる手間がかかっているのだなぁと、感心する。

半分ほど入れ終えたところで、夕方。気も切れたので、ここまでとする。グッタリとして、15分だけ眠ったら、実家へ赴く。

 

実家にて、飯を頂く。食べ終えたら、居間にてダラリ。家族と垂れ流しのテレビに茶々を入れながら、適当な会話で、過ごす。

入浴まですまし、さくら嬢を撫でようとしたら噛まれ、事務所へと戻る。

 

戻って、ブログを書き始めて、今である。

この後は、もう「ノンフィクションの映像 11」を、仕上げてしまおうと思っている。あともう少しだ、覚悟をしやがれ映像群。

歯を磨いたら、作業を、始める。