ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

10月11日 ディストーションディスカッション

朝は11時に起床。

まぁ起きるが、まぁ眠い。昨夜もまた、遅くまで作業をしていた。6.7時間くらいは寝ていると思うのだが、まだ足りないか。これで足りないのは、色々と、困るのだが。

水を飲み、授かったおにぎりを食べる。作業をするため、目を覚まそうとするも、まるで覚めない。意味がわからないほど、覚めない。

これは、無理、もう一度、眠る。

起きるも、まだ、足りない。なんだこれは、昨今、できる日と、できない日が、ある。なんだ、もう。

本日は、15時より福岡にて練習がある。それまでに、色々と、せねばならんのに、くそ、もう。

ダメだ。寝ては起きれずを繰り返し、時間は迫る。結局、Tシャツを数枚刷っただけで、あとは何もできず。準備をして、街まで向かう。くそ、これはもう、敗北と言っていい。いかん。

 

歩いて駅へ、駅から街へ、行く。

コンビニにて、昼食代わりのパンを物色していたら、ソウイチロウ君達とも合流する。偶然を装って、「え?この後、練習?」とか聞いてみる。彼等は練習じゃなかったらしいが、じゃあ一緒にやろうぜ!と誘ったら、してくれる事に。何故か機材も持ってきていたので、その茶番のまま天神、MRTスタジオへと入る。

入ると、既にお嬢はいて、エビバーガーを食べていた。モスなどと、贅沢ものめ。でもうまいよね、モス。今の私には、ロッテリアすら高級品だが。

前の人がスタジオから出てきたら、入れ替わりで、入る。準備をしたら、練習を始める。

 

新曲を中心に、ギャリギャリと、合わせる。

お嬢もだいぶカンを取り戻したようだが、しきりに「速い」「音がでかい」「疲れる」「指が痛い」と言っていた。笑って「だろう?」と返事をする。

2時間やって、練習を終える。しばらく控え室にて談笑をしたのち、次のライブが40分のライブである事に気がつく、もう本番までスタジオに入れない中で、何をするか話し合う。

議論の末、一曲決めて、解散する。お嬢とみょーちんを見送ったら、我々は車を出し、ナカシーの宅へと向かう。この後は、ミーティングである。

道中でピザを拵えると、暴力的な匂いが車内を膨らす。そう、これよ、ピザの匂い。食欲が、発情するよ、これ。

駐車場に停め、ナカシー宅へ。途中で別に買ったチキンナゲットをフライパンで焼いたら、開催。

ピザとナゲットとコーラとビールで、六畳間に幸せとカロリーが舞う。ピザの美味さというものは、まぁバグってる。小麦とトマトとチーズでさ、この美味さにはさ、ならんやろ、普通。

 

一通り舌鼓ったら、ミーティングを開始。ミーティングというか、今回は相談がメインである。これまでどうだったか、これからどうするか。今ある、何となくのわだかまり、何となくの違和感を、突き詰めて、解析していく。

若いバンドマンへ言っておこう。ミーティングは、めちゃくちゃ大事だ。楽器を持たずに話し合う場。飯を食うついでとかじゃなく、話し合いの為に集まる場、それは、とても、大事。

話してみて「え、お前そんな事考えてたの?」とか、ザラである。方向を細かく修正しないと、いずれ大きなズレになり、下手したら肉離れになる。ホントに、大事。

今回我々は、ナカシーという御大に頼る。何故か彼は、「ノンフィクション」の事は我々よりも知っている。何故だ。

何にしろ、今の我々は、実態はともかくセールスで上手くいっているとはとても言えないので、何かを諦めたり、何かを突き詰めたりするしか方法はない。

しかしそれでも、一番大事な事は「続けるためにはどうしたらいいか」である。それだけは、遵守せねばならない。それも、ただ生き残ればいい訳じゃない、このパトスを、このディストーションを維持したままでなければ、続ける意味も私にはない。ナカシー案のもと、落とし所を話し合う。

 

いくつかの問題を、時折現れるナカ岡越前の手によって解決しながら時は進む。方向も、大分まとまった。

とりあえず、今年はそのまま頑張り、来年以降、もう少し活動の意味を突き詰めて行く、という方針である。今はもう闇雲に近いので、それは賛成。あと、もうそろそろ、「無理」の幅を、考えねばならぬ。年齢的、にも。

加えて、私は演奏の上達、ソウイチロウ君は広報の改善を、それぞれ互いに教え合う事にも決まった。

 

あとはもう、ひたすらに雑談をした。時折、冷めたピザをつまみながら、楽しい、楽しい、時だった。こういう時に、思い出話の割合が少しだけ増えるのは、我々も、歳を取ったのかもしれない。

私とソウイチロウ君は明日、朝が結構に早いが、誰も終わりを切り出さず、時は、進む。

 

そこそこして、解散。片付けをして、ナカシー宅を出る。外は風が強い、台風が心配である。

車に乗り込み、事務所まで送ってもらう。明日が心配だが、楽しかった。何も悔いてはいない。

明日の用意をして、眠る。