ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

11月16日 HAGAKURE理論に基づき 吠えた

朝は9時に、京都のとある駐車場、その車内で起床。ネカフェに行っていたサポートの2人と合流する。

身体が、冷えている。車中の狭さで、寝る時のベスト姿勢を探すのに時間を食ってしまい、そこまでは眠れていない。

外に出ると、空は快晴。その中で少しヒリつくような寒気。よい空気である。少しだけ、姿勢が正される。

京都は建物が低くて良い。よく空が見える。

出発。体勢を整えるため、とりあえず、銭湯へ向かう。112番の靴箱に靴を入れ、入浴券を買う。

湯に浸かる。最近は湯に浸かるたび、ナカシーの至言「ストレスは湯に溶ける」を思い出す。本当に、溶ける。

身体も洗ったら、短時間で、湯を出る。ダラダラしたい気持ちもあるが、今日のライブは出番も近い。闘気というか、そういう気が剥がれてしまう前に、身体を拭いておく。

メンバーを待ちながら、ブログを書こうと思ったが、まるで指が進まない。湯上りの法悦と、しばしの思考で時が進み、メンバーが来た頃には2文字しか書けていなかった。「朝は」しか書けていなかった。なんという。

 

さて、京都VOXHALLへ向かう。京都に来るときはいつもGROWLYというライブハウスだったので、初めての場所である。グーグルマップの導くままに、車を走らせる。

到着、そして機材の搬入、挨拶もする。VOXHALL、客席が段状になっていて、面白い所である。楽屋や裏も年季が入っており、とてもよい。雑多に置いてある道具のひとつから、歴史を感じる。いいね、そういうの、好きよ。

 

すぐにリハーサルである。セットリストを渡したら、機材の準備に入る。

駐車場が空いていないという悲劇によって、ソウイチロウ君が不在のままリハーサルは進む。最後にギリギリで合流し、なんとか、事なきを得る。

リハーサルを終えたら、顔合わせをし、出番待機をする。ここにきて、あまり腹の調子の良くない私、何度かウォーターをクローゼットさせる。ライブには支障は、ないだろう。

 

出番である。SEが鳴って、入場をする。段状の客席に改めて少し驚くも、すぐに楽しみに変わる。

口上を述べ、演奏に入る。音を鳴らして、反響させ、叫んで、テキストを載せる。高揚、あぁ昂揚である。ここはなんでも、できるのだ。

25分の出番を、終える。片付けて、汗を拭く。ありがとう、ございました。

 

その後は、ライブを見た。

見た、見たが、本日は長丁場のイベントである。昼に始まって、夜に終わる。ほぼ1番手で出番を終えた私、先日7時間の移動からライブして車中泊をした私。今夜から、小倉に帰り明日もライブのわたくし。

すみませぬ、全部は、無理です。「対バンはなるだけ見る」ポリシーを持っていますが、流石に我が身は、それなりに可愛い。

良質揃いの共演者の方々だったが、それがまた、ライブの濃さに繋がり、私は、磨り減っていく。ごめんなさい、無理です。

 

時折、コンビニでコーヒーを飲んだり、丸亀製麺のお世話になったり、ライブを見ながら目が落ちたりしながら、それでも各バンドをそこそこに見ながら、時を過ごす。

そして最後、本日主催、葉隠お宮バンドによって、今日の日は終わる。葉隠お宮、彼はまた、稀有な才能である。それはたぶん、世間のニーズに応える才能ではないのだが、それがまた、最高である。良い縁をもらったもんだ。

打ち上げになる。共演者、DJの皆様、スタッフさん、色んな方と、話す。どの人も、良い方々である。

いい所だなぁVOXHALL、困る。我々はGROWLYも大好きなので、また京都の回数を増やさなければいけないよ。困るよ、本当に。

 

機材を搬出し、挨拶をすませ、車を発進させる。運転のため、途中から車で眠っていた2人に帰りの運転を任せて、私は眠らせてもらう。

つか、れた。本当に。昨日からずっと、いい音楽を聴いている。身体が、ふやけた。

ねむ、る。