ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

卒業式の青のすべて

今日は卒業式だったようで、街には学生服が溢れていました。

5〜6人の女子グループが、楽しそうにはしゃぎながら、どこに行くかを話し合っている。

たぶん彼女らは、式の後の高まったテンションのまま「この後どっか行こうよ!」という提案がなされ、なだれ込むように街に来たのだろう。ただの想像ではあるが、そんなに的を外してはないように思う。

「この後どっか行こうよ!」という言葉。

特に、卒業式の後、1年間毎日のように会っていた友人たちと明日からは会わなくなるという、その状況で発される「どっか行こうよ!」からは、ひどく純粋で、とても綺麗なエモーションを、私は感じる。

ひょっとしたらグループの中には、普段は一緒に遊ばない人も混ざっているだろう。また、ほとんど会話をしたことない人と人が、初めてしっかり話す場もあるかもしれない。

それでも、彼女らは、数年来の親友のように、今日一日は笑うのだろう。帰り際「また遊ぼうね」なんて言い合っても、その約束は誰一人として果たさない。そしてそれを、みんな、心の奥底ではなんとなくわかっている。わかっていながら、「絶対だよ」と笑い合っている。

そんな風景があるのだろう。すれ違った彼女らがそうとは限らないが、日本すべてを探したら、結構いるはずだ。

 

それもまた、ディストーション、なのだよ。

私は深く叙情している。