ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

掻き毟れディストーション

 

 

 

 

2022/1/18

掻き毟れディストーション

今日も今日とて、編集、編集。

そろそろ大きな編集も少なくなってきて、随所の細かい音量を上げ下げする状況にはなりました。それでも、1日経って聞き直すと印象が変わってたりするので、うまくその中心の値を探し出す作業です。

しかし、ここでギャリギャリの音を作っても、CDはともかくサブスクを経由したアイフォーン、それに純正イヤホンの組み合わせでは、低音がやけに出てバランスが変わったりする。イコライザの設定とかを駆使すればある程度音源通りの音に近づけられるが、そこまで聞き手に求めるのは不可能である。ここ20年とかでレコ屋さんを散々悩ませた問題に、今更ながら私も直面している。

もちろん、私の勘違いで、ジョブス推奨のその音の方が、より純粋なミックスに近い可能性もある。それに低音が滑らかな方が耳も疲れず長時間の視聴にも耐えうる。アップルのイヤホンも評判は良いし、その方が音楽的にも良い音なのかもしれない。

それでも、私が求めているのは、私が生み出したいのは、あのバカでかいギターの音なんだよ。中学生の頃千円以下のイヤホンで内耳に流し込んだ、あの凄まじいディストーションなんだよ。音楽的な良さでは決して解決しない問題を、バカでかいギターは掻き毟るように削ってくれるんだよ。掻き毟ると傷は悪化するから本当は掻いちゃダメなんだけど、あの頃の私はそれが痒くてしょうがなかったんだよ。

サブスクの台頭で音圧戦争みたいなのが終わったのは良いことだと思うけど、音圧を上げたい、っていうあの精神は忘れてはならんよ。もう私もいい歳だから、音楽だって適材適所、音が小さい方が格好良い事があるのも知っているよ。それでも、音はでかい方が格好良いんだよ。これは理屈じゃなくて、私の魂に根付く持論です。宗教と言ってもいい。私はまだまだ痒いんだ。