ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

誘拐された感覚

 

 

 

 

2020/12/8

 

誘拐された感覚

 

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大誘拐」面白かったです。

サスペンスコメディ、みたいなジャンルで、真面目なのにおかしくて、逼迫しているのにのんびりしている。話もちゃんとしていて、テンポもよいです。この歳になって「めちゃくちゃ好き」に出会えるのは貴重、大事にしていきたいです。

 

昭和の映画みたいな雰囲気、好きです。焼きついたようなフィルムの感覚や、張り付いたような音声、そういう全体の馴染みも勿論なのですが、やはり「時代」みたいなのがあると思うのです。

こうなると「昭和」というより「昔」という話なのですが、まだ携帯もインターネットも一般にはない時代、まだしっかりと、人々がリアルに、街の中に存在している気がします。

現代、テレビやゲームから、最先端のスマートフォン。リアルではない液晶の中の世界ができあがり、もはや人々は三分の一くらいそっちの世界に居ます。暮らしているのは紛れもなくリアルな現実の中、ちゃんと地に両足をつけているのですが、見ている視界の中、考えている頭の中は三分の一くらい液晶世界の中にある気がします。そのくらい、現代には液晶が氾濫しています。

もちろん、クッソ便利なので私も使うのですが、液晶世界の中では視覚と脳味噌とたまに耳くらいしか使わないのが良くないです。地に潜ったモグラの目が退化したように、肌の感覚や匂いの感覚、風景を見る目の感覚が、現代、落ちていってる気がします。

人間、便利になればなるほど自然からは遠ざかる訳なのですが、インターネットなんかの存在で加速しましたね。自然はだいぶ隔離されて、わざわざ触れに行くような存在になりました。でも本来は、人間なんてちょっと脳味噌が発達した生物でしかなく、野生動物と生体機能はあんまり変わらんはずです。定期的に自然に触れておかねば、生体機能もおかしくなってくるんじゃないかと、私は思っています。

 

まぁ、私はゲームも映画もアニメも大好きですし、小学生からインターネットでポケモンの裏技を調べては現在頻繁にアマゾン使ってユーチューブもガンガン見るんですが、そういう自然の意識は忘れんようにしてます。散歩なんかしながら、土を踏んで、草を香って、川に触れて、風を感じて、空を眺めて、そうやって一息すると、自分が確かに地に両足をついている感覚が戻ってくるのを感じます。

あの時代が素晴らしかった、なんて言うつもりはないけれど、昭和の方が地に足はついていたと思う。そしてその方が、生物としては自然な姿であるはず。

どうあがいても、生きる時代は選べんのでね。諦めながら、抵抗はしていきましょう。