ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

追悼について

 

 

 

 

2020/10/19

 

追悼について

 

有名なバンドの、ギタリストが自殺したらしい。私は特に面識はなく、そのバンドも聴いていた訳ではなかったが、いたたまれない話である。

私は、自殺そのものについては、否定しない。絶対にダメだよ、とは言えない。世の中には死にたくなることはもちろん、生きたくなくなることが、とても多い。

あまり言いたくないけど、私にだってあった。楽なバンド生活ではなかったので、精神的に辛い時期は何度もあった。そしてそんな状態の時は、どんな助言や、どんな寓話も効果は薄い。私が今生きて音楽をできているのは、「たまたま」や「運が良かった」からと言ってもいい。

だから、なんだろう。仕方ない、というのは酷い言い方かもしれないけど、ある意味では、病死みたいなものだと思っている。

 

だけど、とても悲しい。

それが見ず知らずの人間でも、私は悲しい。それが嫌いな奴だって、少しくらいは胸が痛む。

停止、断絶、完全なる終わり、死ぬ、ということ。

選択肢にそれが入っている人間に対して、私が出来ることは何もない。「貴方には私の気持ちはわからない」お互いにおいて、これが全てだと思う。祈る、くらいはできるかもしれないけど、それくらい。

 

だから、どうしようもないし、とても悲しい。

冥福をお祈りしている。それくらいしかできないけど、祈る。