ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

九十年くらいの孤独

 

 

 

 

2020/11/8

 

九十年くらいの孤独

 

山から川が流れ、その水が海に流れ、蒸発して雲になり、雨となって山に降り、それがまた川となる。

という話。小学生時分から聞いていたけど、いまだに「本当に?」と思ってしまう。

誰がデザインした訳でもなく、大きな手を加えた訳でもなく、自然にそうなって、壮大に水が循環している。

なんだそれ。あまりにも都合が良すぎる。SFなんて目じゃないぞ。どうなってんだよ。

 

たまに、そういう自然に気づいてしまうと、どうしようもない畏怖を感じる。あらゆるモノが奇跡、なんて薄寒い話じゃなく、私は尊敬と恐怖と、不気味さを感じます。不気味さってのも何か違うな。幽霊とか化物みたいなのじゃなく、意図のわからない古代の遺物を見たような感覚。自然にはそういう一面が間違いなくある。

ID論、インテリジェンスデザインなんて話もあります。この世は人ならざる何かによってデザインされたものであるという説。そうでもないと説明できない事が、世の中には結構あります。

まぁ何を考えても私が正確な答えに辿り着ける可能性なんて0なのですし、いずれ人類が自然のすべてを解明できるなんてのも傲慢な話です。しかしながらそういう自然の中で、我々は死ぬまで生きていかねばならんのです。いや、下手をしたら「死」というのも我々の知らないシステムで、その後も自然に縛られ続けるのかもしれません。

おっそろしい、話ですぜ。そんな事を思いながら、川辺をひとり歩いておりました。薄着だったので、また風邪をひいてしまいそうで、僕は思わずくしゃみをしました。