ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

ピース

 

 

 

 

2021/1/27

 

ピース

 

名も知らぬパン屋に寄って、2個ほどのパンを食い千切りながら街を歩く。

潮のように流れる車、帰路のペダルを漕ぐ学生、バスを待つご年配、ほのかに雲のある晴れ間、昼下がりの街は今日も変わらず、何でもない景色である。

パンを咀嚼しながら袋を潰し、マスクを口元に戻す。平和な街並みが、このマスクのせいで少しだけ息苦しい。跳ね返る呼吸にむせながら、私も帰路に着く。

なんでもない街を、何でもなく暮らしたいもんです。春風が吹き始めても、今のままでは息が詰まる。ただでさえ、詰まった頭を通さねばならんのに。